羽田空港に「カレー愛好家」が足を止める理由 今や食の宝庫、吉野家も限定メニューを展開

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

このダイニングは奥まったところにあるため旅行客は比較的少なく、空港で働くグランドスタッフがランチや休憩に利用していることが多い。ランチタイムを外して行けば、窓際の席も空いている。駐機している飛行機を窓の向こうに眺めながら、ゆっくり食事を楽しみたい。

「吉野家」や「てんや」は限定メニューを提供

チェーン店であっても、空港では限定メニューを出している店舗も多い。羽田で最も有名なのは、国際線ターミナルにある吉野家の「牛重」だろう。2013年に国会議事堂内の店に登場して話題になったメニューだが、2015年からは羽田へ行けば一般の人も食べられるようになった。

羽田空港で食べられる吉野家の限定メニュー「牛重」(筆者撮影)

通常の牛丼と違い、注文を受けてから国産和牛の肩ロース肉を焼き始める。重箱に敷き詰めたご飯の上に、熱々の牛肉がたっぷり載っていて、味は濃厚なすきやき風。値段は税込1240円と決して安くはないが、ここでしか食べられないお値打ち感に思わず手を合わせてしまう。

同じく羽田の第1・第2ターミナルの「天丼てんや」では、「海宝天丼」(税込980円)という限定メニューがある。注文すると、店員が「ハネダ一丁!」とオーダーを通すこのメニューは、大きなアナゴにエビ、イカ、ホタテ、サケなどが器からはみ出すほど盛られた特大の天丼。ビジネスマンというより、体育会系学生向けのボリュームだ。

関空には、モスバーガーとミスタードーナツのコラボレーション店「MOSDO!」がある。両社が資本・業務提携していることから生まれたブランドのようで、今のところ、同空港と広島県内の2店舗だけ。筆者の見たところ特別メニューはないようだが、ハンバーガーとドーナツを両方食べられるカフェといった感じで、家族連れに人気がある。

また、関空では、「信州そば処 そじ坊」がハラール対応に力を入れているのに感心した。マレーシア航空の出身者が設立した認証機関から認証を受けているという。こうしたことからもイスラム圏のインバウンド客の増加が、日本の航空業界の好調の一因であることがうかがえる。

地方空港にも、特産食材を生かしたとっておきのご当地メニューがたくさんある。筆者の見たところ、食の充実ぶりで言えば、北海道の新千歳空港と宮崎県の宮崎空港が双璧だろう。

新千歳空港では、海産物が土産物店に並んでいる(筆者撮影)

新千歳空港には、道内の有名店が集まる「ラーメン道場」、ジンギスカン専門店、北海道産の魚介類を使った寿司店などが揃い、飛行機に乗る直前まで北海道の食文化を堪能できる。

土産物店も、デパートの北海道物産展並みに充実。カニ、イクラ、ホタテなどの魚介類、ジャガイモ、アスパラ、トウモロコシなど旬の野菜が所狭しと並んでいる。

バターやチーズなどの乳製品、チョコレートやポテトチップスなどの菓子類も多いが、特筆すべきは、空港のいたるところにソフトクリームが売っていること。「白い恋人ソフトクリーム」や町村牧場のソフトクリームは、筆者のひそかなお気に入りである。

次ページ宮崎空港はどこが「グルメ」なのか
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事