日本にも「社員の才能引き出す」職場が必要だ 日本企業に必要な「働き方改革」とは?

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――ボックスは人工知能(AI)の活用にも積極的なようですね。

前回のインタビュー記事を見て喜ぶレヴィCEO。素顔は31歳の青年だ(撮影:尾形文繁)

まだ公にできないが、じきにこの分野で大きな発表をする予定だ。AI、あるいは、コンピューティング能力の発展によって、(デジタル機器などが)より情報を正確に把握できるようになっている。

その例のひとつが、グーグルが開発している「グーグル・コンピューター・ビジョン」だ。これは面白い。たとえば、「コカ・コーラ」のボトルを写真に撮ると、ビジュアルのイメージからこれがコーラのボトルだと判断する。「コーラ」という文字を理解するだけでなく、イメージからこれが赤いコーラのボトルだということもわかるわけだ。

これをボックスのビジネスに置き換えた場合、たとえば瞬時に山のようなデータの中にどういう情報が含まれているか判断したり、必要なデータを探し出したりできるようになる。つまり、これまで手作業でコンテンツを把握して、それをカテゴライズしていたのが、一瞬でできるようになるわけだ。ボックスではデータの把握や検索にAIを利用したいと考えている。

AIの恩恵を受けるのは知的産業

――現状、AIというのはどの程度スマートかつ使えるものなのでしょう。

正直、現時点のAIはスマートとは言いがたいと思う。将来、日常的に使うようになるAIに比べて、まだ初歩的な段階にあるといっていい。ほとんどのAIは自ら学習することがまだできず、われわれがマニュアルで学習させている状態だ。そういう意味では、本当の意味でのAIというのはこの世にほとんどない。

その一握りの、人間の力を借りずに独自学習できるAIが今後進化していけば、人間に新たな仕事をもたらす可能性がある。ただし、そのプロセスではAIに奪われる仕事も出てくるだろう。たとえば、トラック運転手の仕事は確実に減るだろうが、ヘルスケア業界のようなところでは生産効率がアップすることによって新たな仕事が生まれたり、雇用が必要になったりするのではないか。

つまり、ひとつの経済圏でもある業界の仕事が減る一方で、別の業界で仕事が増えたり、別の産業が生まれたりするわけだ。こうした新たな産業や仕事は、知的産業で生まれやすいのではないだろうか。

一方、AIによって仕事の効率性がアップするからといって、われわれの仕事時間が減るということではないと思う。メールのやり取りやイベントのスケジューリングなど、あまり頭を使わない戦略的とはいえない仕事に従事する時間が減る一方で、人間しかできないようなクリエイティブな仕事をする時間が増えるのではないか。

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