原油価格が需給改善でも低迷している「謎」 金と原油の相関関係から見ると今は安すぎ
米連邦準備制度理事会(FRB)は6月13・14日に開催した連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利を0.25%引き上げ、年1.00~1.25%にすることを決定した。利上げは3月以来で、今年2回目となった。また、FRBは保有資産を圧縮する具体策を約3年ぶりに改定し、年内に圧縮を開始すると宣言した。
米国の年内の利上げはあと1回のみ
ジャネット・イエレンFRB議長は会合後の記者会見で「景気は今後数年間緩やかに拡大する見込み」とし、先行きに自信を表明した。また資産圧縮は「比較的早期に始める」とし、継続的な金融引き締めが適切との認識を示した。FOMC参加者16人の経済・金利見通しによると、2017年の利上げ想定は計3回と、前回3月時点と変わらなかった。また、物価上昇率がFRBの2%目標に達する時期も2018年と、予想を据え置いた。
一方、資産圧縮については、米国債の再投資見送り額を当初月額60億ドルに設定し、その後は月額300億ドルに達するまで、1年をかけて3カ月おきに60億ドル増やすとした。モーゲージ担保証券(MBS)についても、再投資の見送り額を40億ドルから始め、月額200億ドルに達するまで1年をかけて四半期ごとに40億ドル増やすとした。
具体的な時期には言及しなかったが、FRBの現在4兆5000億ドル規模のバランスシートの縮小は、早ければ9月にも開始される可能性がある。一方、利上げは9月には実施される可能性が残るものの、5月の消費者物価指数が前年比1.7%(コア指数)上昇と低い伸びにとどまっており、現状では9月の再利上げを正当化するのは難しいだろう。こう考えると、年内の利上げはやはり最大であと1回にとどまり、その後は資産圧縮が優先されることになるだろう。
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