日経平均4日続落、終値で約2週間ぶりの安値 利上げの事前調整進み、底堅さ指摘する声も

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 6月15日、東京株式市場で日経平均は、4日続落。終値では5月31日以来、約2週間ぶりの安値を付けた。米連邦公開市場委員会(FOMC)は予想通り利上げを決めたが、経済見通しではインフレ率予想を引き下げ、米金利上昇と円安進行期待が後退した。写真は東京証券取引所で2015年12月撮影(2017年 ロイター/Yuya Shino)

[東京 15日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は、4日続落。終値では5月31日以来、約2週間ぶりの安値を付けた。米連邦公開市場委員会(FOMC)は予想通り利上げを決めたが、経済見通しではインフレ率予想を引き下げ、米金利上昇と円安進行期待が後退した。東京市場では値がさハイテク株の一角に売りが先行し、指数は一時120円超安となった。押し目買いでプラスに転じる場面があったが、買いは続かず前場中盤以降は再び売り優勢となった。

TOPIXも続落。セクター別では、ゴム、鉄鋼、石油・石炭の下落率が大きかった。半面、その他製品、建築、小売はしっかり。

FOMC声明は、年内はあと1度の利上げを見込み、足元で強弱まちまちとなっている経済指標は重視しない考えを示唆した。この姿勢が「ややタカ派的と受け止められた。米ファンダメンタルズは悪化しており、市場は年3回利上げできるか懐疑的」(大手証券)との声が聞かれた。

ただ、三菱UFJモルガン・スタンレー証券の鮎貝正弘氏は「最近は米利上げの後、東京市場は全面安が多かったが、事前に調整が進んでいたことや内需系に買いが入ったこともあり、意外に底堅い展開だった」と話していた。

個別銘柄では、インフォマート<2492.T>が反発し年初来高値を更新した。14日に自社株買いを発表したことが材料視された。自己保有株を除く発行済株式総数の11.89%にあたる1543万0560株の自社株を無償で取得する。取得期間は6月23日。村上勝照・前代表取締役社長の逝去を受け、株式無償譲渡の遺言に応じる。

東芝<6502.T>は小反発。経営再建策の柱として半導体メモリー事業の売却を計画している同社は、15日に予定していた優先交渉先の選定を先送りする見通しだと、複数の関係者がロイターに明らかにした。事業売却の道筋に不透明感が強まったと受け止めた売りが先行したが、売り方の買い戻しが入りプラスで引けた。

東証1部騰落数は、値上がり817銘柄に対し、値下がりが1063銘柄、変わらずが139銘柄だった。

日経平均<.N225>

終値     19831.82 -51.70

寄り付き   19815.54

安値/高値  19755.34─19963.36

 

TOPIX<.TOPX>

終値       1588.09-3.68

寄り付き     1586.99

安値/高値    1581.68─1598.03

 

東証出来高(万株) 188192

東証売買代金(億円) 24775.9

 

 

(辻茉莉花)

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