これからは「報・連・相」より「確・連・報」が効く 自発的な人材が育つ「かく・れん・ぼう」とは?

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「ほうれんそう」が有名になったのは、山崎富治さんが『ほうれんそうが会社を強くする』という本を書いて、ベストセラーになったことが一因です。

「報告」とは、社長や上司から出される指示に対して、社員や部下がそれに取り組みながら、その途中経過などを報告すること、「連絡」とは、そのことに関係する人たちに自分の意見や憶測を含まず、ファクトの状況を知らせること、「相談」とは、その遂行途中で自分だけで判断することが難しいときに、社長や上司に相談してその考えや意見を聞くこと、です。

組織の上下をつなぐ重要な意味

この「ほうれんそう」は、組織の上下をつなぐ重要な意味を持っています。社員や部下は「社長は私のことをわかってくれない」「上司はオレの働きをちっとも理解していない」と不満を持ちがちです。しかし、社長も上司もすべてを見ているわけではありません。たくさんの課題を抱えて取り組んでいるため、すべてに時間を取れるはずがないのです。現場で働いている社員がどういう仕事ぶりなのか、どれほどの実力があるのかがわからなくなってくるのです。

そのようなことを前提にすれば、実は「ほうれんそう」は、社員や部下が自分の能力や実力を社長や上司にアピールする「絶好の機会」なのです。「指示された課題にいまここまで取り組みこれだけの結果を出しています」「こういう考えで取り組んでいます」ということをきちんと伝えれば、自分の能力・実力を社長や上司にアピールできるのです。

もちろん良いことだけを報告するわけではない。プロジェクトがうまく進まないときには早めに相談すればいい。相談すれば、社長も上司もこうすればいいのではないか、こういうやり方に変えたらどうかと助言してくれるはずです。こういう場合には、社長も上司も「よく相談にきてくれた!」と思うものです。

もし、結果至上主義でプロセスの報告も連絡も相談も不要となってしまえばどうなるでしょうか。

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