牛角、やっぱりお買い得だった? コロワイド、本業・居酒屋不振でも利益倍増

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さらには、食材内製化の拡大を狙って、2011年11月には神奈川工場(神奈川県横須賀市)を竣工。居酒屋以外のレストラン事業を強化すべく、昨年10月にはレインズを買収するといった布石を打ってきた。

このうち、レインズについては、昨年10月の買収後から本社の移転や間接部門の人員圧縮といったリストラ策を断行したこともあって、前2013年3月期の下半期(13年10月~14年3月期)から早くも利益貢献が始まっている。

一方で、食材内製化によるコスト削減効果については、現時点でまだ未知数。業態の集約化についても、コロワイドではリーマンショック前の07年頃から重点施策として取り上げてきたという経緯があり、ここにきて新たな方針を打ち出したからといって、計画どおり進捗するかどうかは不透明感もある。

居酒屋は値引き連打でも効果は今ひとつ

コロワイドでは今春以降、「甘太郎」や「北海道」など居酒屋業態に対する即効性あるテコ入れ策として、飲食代が30%割引になる「反則割」キャンペーン(3~5月)や、新聞広告持参で生ビール1杯10円になる「アベ飲ミクス」キャンペーン(4~5月)など、さまざまなディスカウントキャンペーンを仕掛けた。

ただ、こうした居酒屋テコ入れ策の効果は、4~6月期の決算を見るかぎり、いま一つだ。「同業他社もこうしたキャンペーンを実施しており、満足のいく結果は出ていない」と野尻社長も話す。多額の販促費をつぎ込んだものの、既存店売上高が好転する兆しはまだ見えないのが現状だ。

「牛角」や「ステーキ宮」といった買収子会社の“親孝行”が続くうちに、本業の居酒屋の立て直しに道筋をつけられるかどうか。それが、コロワイドの中期的な成長を左右することになりそうだ。

(撮影:尾形 文繁)

松浦 大 東洋経済 記者

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まつうら ひろし / Hiroshi Matsuura

明治大学、同大学院を経て、2009年に入社。記者としてはいろいろ担当して、今はソフトウェアやサイバーセキュリティなどを担当(多分)。編集は『業界地図』がメイン。妻と娘、息子、オウムと暮らす。2020年に育休を約8カ月取った。

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