牛角、やっぱりお買い得だった? コロワイド、本業・居酒屋不振でも利益倍増

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コロワイド側では、居酒屋部門の不振については書き入れ時となる年末の忘年会商戦で挽回可能だとして、売上高1509億円(前期比18%増)、営業利益72億円(同63%増)という期初計画を、4~6月期決算発表に際しても据え置いた。レインズの子会社化による業績押し上げ効果が、今期は6カ月(4~9月)分寄与することがやはり大きい。

とはいえ、居酒屋部門の想定以上の不振を、「牛角」や「ステーキ宮」の好調で埋めきるのは難しそうだ。東洋経済では、コロワイドの今期の営業利益は、レインズの上乗せ効果で過去最高を更新する可能性は高いものの、会社側の強気の期初計画には届かないのではないかと予想している。

コロワイドは1963年4月に設立されて今年で50周年目。同業のように看板となる業態がないため、一般的な知名度は低い。ただ、居酒屋「甘太郎」を出店し、チェーン居酒屋業界に参入したのは77年にさかのぼり、居酒屋業界の中でも老舗の部類に入る。

売上高は上場後の13年間で7倍超に

コロワイドの売上規模は、株式上場を果たした2000年3月期には170億円に過ぎなかった。その後、積極的な企業買収を進めた結果、13年3月期には売上高1283億円まで拡大。現在は居酒屋「北海道」「甘太郎」のほか、ファミレス「ステーキ宮」やイタリアンレストラン「ラパウザ」などグループで73業態、2118店舗を展開している(うちフランチャイズ店は1030店。13年3月末現在)。

しかし近年は、居酒屋市場が右肩下がりで縮小し続けていることを受けて、「甘太郎」をはじめとする本業の居酒屋の業績が低迷。他部門も含めたグループ全体での既存店売上高は、2007年3月期から前13年3月期まで、7年連続で前年を下回っている。

そこでコロワイドがここ数年採っているのが、「(買収で)膨張した業態数をコアブランドに集中させる」(野尻公平社長)戦略だ。直近で73ある業態を、5年以内に主力20業態まで絞り込む方針を明らかにしている。

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