意外と知らないライターという仕事の「裏側」 仕事の中身と収入はこうなっている

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続いてライターの収入についてお話しします。人によってまったく異なりますが、筆者がフリーライターとして活動していた頃(現在は法人化しています)、年収は800万円ほどでした。原稿料は、単発の記事だと1本2万~5万円ほど、単行本や雑誌などを1冊任されて20万~70万円といったところです(筆者の場合)。めちゃくちゃ収入が多い、というわけではありませんが、会社員時代の約2.5倍に増えました。

効率よく稼ぐためには、もちろん工夫も必要です。クライアントとできるだけ直取引して利益率を上げたり、一般的に原稿料より単価が高い広告案件も積極的に受けたりしています。また、毛色の違う媒体での書き分けも効果的です。たとえば人気の飲食店を取材して、グルメ系媒体では料理のレポート記事を、ビジネス系媒体では経営術を書くといったこともあります。

ちなみに、とある大先輩の有名ライターに、「僕の年収いくらだと思う?」と聞かれたことがあります。相当稼いでいると思い、ある金額を口にすると、なんとその5倍でした。出版不況と言われていても、“やりよう”によっては稼げるのだと痛感させられました。

こう書くと景気がいいように見えるかもしれませんが、筆者が駆け出しの頃はまったく生活できませんでした。昨年、キュレーションサイトが安価でライターに記事を書かせ、信憑性の低い情報を量産していると問題になりましたが、筆者も1記事300円で原稿を書いていたことがあります。

いろいろな記事を書きましたが、忘れられないのは、出会い系サイトの偽成功体験談です。「このサイトを使ったら、いい女と出会えて、いい思いもできちゃった」というレビューを妄想で書きまくるのです。依頼主から「もっと臨場感を出してください」などダメ出しされる度に、むなしさを覚えたものです。

何とか生計を立てられるようになっても、フリーライターにはつねに不安定というリスクがつきまといます。毎月20万円以上の原稿料をいただいていたクライアントが、突然外注をやめるとのことで、収入の軸の1つが一瞬にして消えたこともあります。定期的に執筆していた雑誌が休刊になったことや、原稿料が支払われないままクライアントと音信不通になったこともあります。

実績は作ってしまえばいい

最後にフリーライターのなり方ですが、これも人によってバラバラです。新聞や雑誌の記者、編集プロダクションや広告代理店の社員、ライタースクールの卒業生など、さまざまな経歴のライターがいます。筆者の場合はもともと小説家を目指しており、20代半ばくらいまで小説の投稿を続けていたのですが、結局断念。そんなときに知人から、「文章書くのが好きならライターやってみないか?」と仕事を振られたのがきっかけでした。そして可能性を感じるようになり、真剣に取り組んでみようと決意したのです。

ライター志望者から、よく「自分には実績がないから無理ではないか」と聞きます。そんなことはありません。実績など作ってしまえばいいのです。筆者の場合は、個人ブログが実績になりました。

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