「自宅葬」がここへ来て見直されている理由 残された人が納得できる弔い方とは何か
自宅葬であれば、式場費や遺体の安置料などもかからないし、葬儀場の都合で急(せ)かされるようなこともない。余計な費用をかけず、かけるべきところにおカネをかけられる。
たとえば、遺体を保存するためのドライアイス。通常3日分しか用意されていないことが多いが、同社では基本的に7日分を用意する。
その人らしい葬儀ができるように
故人が亡くなった1日目は、極端な話、何もしない。ただでさえ混乱しているところに、訪ねて行って見積もりの話をするようなことはしない。2日目以降から、どんな方だったのかヒアリングをして、その人らしい葬儀ができるよう準備をしていく。
ピアノが好きだったと聞けば、ピアノの近くに棺を安置するし、テラスでお茶を飲む習慣があったと聞けば、棺へのお花入れの儀式をテラスで行うといった工夫をする。
誕生日の少し前に亡くなられたケースでは、通夜が誕生日の日になるよう施行時期を延ばす提案をして、当日はサプライズでケーキを用意しバースデーソングを歌ったこともある。そうしてゆっくり家族のペースで、故人との思い出を振り返ってもらうのだ。
「お寺の手配や参列者への気遣いなど、これまで葬儀には、ああしなきゃ、こうしなきゃ、というマストの部分が多かった。自宅という場所で、家族で作り上げる葬儀には、マストはありません。故人に対してできることをしてあげられたという納得感につながるのだと思います」(馬場さん)
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