「自宅葬」がここへ来て見直されている理由

残された人が納得できる弔い方とは何か

着目されつつある「自宅葬」とは

「直葬」と呼ばれる形態が増えているが…

「ちゃんと葬儀をしておけばよかった、どうしてやらなかったんだろう、という後悔の声を聞くことが多くなりました」

葬儀に関するポータルサイト「いい葬儀」などを運営しライフエンディング領域に詳しい鎌倉新書のPR室室長・西本暢(とおる)さんが言う。

宗教的な儀式を行わず火葬のみで済ませる「直葬」と呼ばれる形態が増えてきたのは2000年ごろ。経済的事情や宗教観の変化もさることながら、お布施や戒名料などの料金体系がブラックボックス化していたことに違和感を持っていた人も多かった証左だろう。メディアで取り上げられるとともに急速に増え、関東では20%以上が直葬という調査結果もある。

だが、何事も行き過ぎれば、その反動がくる。

人は誰でも、大切なものを喪失した場合、悲嘆(グリーフ)といわれる心身の反応が生じる。日常生活に支障を来たすような強い喪失反応を伴う悲嘆は、一般的には2%、死別の状況によっては3割近くの割合で生じるという。喪失の体験にどう向き合っていくかは、近年注目されるグリーフケアの観点にもつながる。僧侶であり、臨床心理士の資格も持つ多摩大学非常勤講師の松下弓月(ゆづき)さんが説明する。

「悲嘆には4つの段階があるとされています。『亡くなったことを認める』『喪失の痛みを受け止める』『その人のいない状況に適応する』『そして亡くなった人との関係性を作り直す』という4段階です。卒業式や成人式など、人はライフステージのなかでさまざまな儀式をします。それは人生に生じた大きな変化に適応するためには、まずそのことを認めなくてはならないからです」

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