日本株を「断捨離売り」している人の正体

「日経平均の実感は3万円」でもおかしくない

実は、このなかで、④の手持ち株が売れる値段になったので売ったという答えが1番多かったのである。新興市場の人気株ならいざ知らず、個人投資家好みの普通の塩漬株が日経平均2万円に届くか届かないかの水準でなぜ売れるのか不思議だが、実は日経500種平均株価の位置を考えると納得がいく。

日経500種平均のほうが、実態を反映している

日経500種平均は、時価総額加重平均で計算されるTOPIXやマザーズ指数と違い、ダウ平均法で計算される「日経平均の兄弟指数」だ。算出開始が1982年1月4日なので、日経平均の「弟分」になる。日経平均の6月2日現在の価格は、1989年の史上最高値3万8915円に対して約52%の位置になったが、日経500種は史上最高値(1989年12月)2406円47銭に対して、今は80%程の位置にあるのだ。

日経平均の3万8915円の80%程度の位置は、3万円を超す。225銘柄では2万円だが、それを含む500銘柄で構成される広義の日経平均とも言うべき日経500種では、3万円の実感なのだ。つまり古くからの投資家にとっては、平成バブル崩壊以降、長期で塩漬けにしていた株が、日経平均が「3万円」に乗せてきたので「やれやれ売り」を出しているという感覚ではないか。

1980年代後半の株価を抜けてきた山崎製パン、明治ホールディングス、アサヒグループホールディングス、ライオンなどのチャートを見れば、より回復を実感できるのではないか。もちろん、売っている個人投資家には、「日経平均3万円」などと言う認識はないわけだが。

日経平均と日経500種の差は主にハイテク株の差にあると筆者は考えるが、「第4次産業革命」と言われる、「IoT(モノのインターネット化)、AI(人工知能)革命」の進展を考えると、今後は225銘柄と500種の差がむしろ詰まることは容易に想像できる。

繰り返すが、日経平均の年足チャートを見ると、昨年の足は今年の大相場を暗示する「手繰り線」となっている。2万円を超えたと喜んで売っていてはチャンスを逃すかもしれない。「強気すぎる」との批判があることは承知のうえで、十分引きつけて長打を狙いたいものだ。

さて、今後の相場だが、今週の予定表を見ると欧州の動静が気になる。ECB(欧州中央銀行)の定例理事会と英国総選挙のある木曜日(8日)が特に注目だ。金融政策の順番は、「量的緩和」を止めてから、時間をかけて「金利高」誘導、そしてその後「量的引き締め」となるが、最近のECB関係者のコメントには、「量的緩和はそのままで金利高誘導をしても良い」という趣旨の意見が垣間見える。言ってみれば、アクセルとブレーキを同時に踏んでいることになるので混乱も予想される。混乱と言えば、報道にあるように、英国の総選挙でもメイ首相側の保守党が勝利するかどうか、混とんとして来た。

ただ、VIX指数(いわゆる恐怖指数)の記録的低水準が物語るように、「混乱は起きない」または「混乱があってもすぐに正常に戻る」と、筆者は考えている。

ブレグジット以降の世界情勢がそれを証明しているし、何よりもECBやFRB(米連邦準備制度理事会)が常にマーケットと対話し透明性を持った政策をしているからだと思う。もし、株式を保有している投資家であれば、ここは安売りを避け高値まで十分引き付けて利益を狙いたいところだ。たとえこの6月、7月が一時的な高値となって、狙いすぎで目先売り逃したとしても、その後の深押しはほぼないに等しいと筆者は思っている。

今週の日経平均予想レンジは1万9900円―2万0700円前後としたい。

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