マクドナルド原田社長、初の連続減益 「100円マック消えた」報道も一因?

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期間限定「クォーターパウンダー」をベースにした新商品発表会で、「BITE!」キャンペーンへの取り組みを説明した原田社長(6月17日撮影)

マクドナルドは昨年11月に従来のマーケティング戦略を見直し、「ビッグマックなどコアメニューのディスカウントキャンペーンや、季節限定メニューの濫発をやめる」(原田社長)と宣言。しかし、値引きの抑制や季節メニューを絞り込んだことがかえってあだとなり、既存店の月次売上高は、13年1月には17%減、2月には12%減と低迷した。

価格帯見直しに加え、大型キャンペーン連打

これに対してマクドナルドは、「賢いコアメニューと賢い季節限定メニューに重点を置く」(原田社長)と打ち出した。4月には例年販売している季節限定メニュー「てりたま」のほか、レギュラーメニュー用のチキンを流用した「チキンてりたま」など、開発コストをかけずに作れるメニューを相次いで投入。

5月からは、バリューピックス(Value Picks)と名付けた新たな価格戦略を開始。「ハンバーガー」を100円から120円に、「チーズバーガー」を120円から150円に値上げする一方、「ポテトSサイズ」(旧価格190~230円、新価格150円)や「チキンマックナゲット5ピース」(旧価格250~290円、新価格190円)などを値下げし、全体として100~200円前後の低価格帯商品を充実させた。

さらに6月には、原田社長が久しぶりに自らマーケティングプランを練った「BITE!」キャンペーンを展開。4分の1パウンド(通常のビーフパティの2.5倍)の重量を持つ、マクドナルドの人気ハンバーガー「クォーターパウンダー」の期間限定商品投入を皮切りに、サッカー日本代表の本田圭佑選手を起用したテレビCMや、渋谷駅周辺での街頭広告、コークグラスの配布など、大掛かりな販促を行った。

商品面でも夏場の期間限定で、「マックフロート」(ソフトクリームを載せた炭酸ドリンク)などデザートのほか、“1日限定”という超高価格の1000円ハンバーガーや、メキシカンテイストの「サルサバーガー」など、新商品を逐次投入。マクドナルドから遠ざかっていた顧客や新しい客層の開拓に努めてきた。

客単価は上昇したが、客数は今ひとつ

こうした施策の結果、5月から既存店の客単価は上昇に転じた。しかし、客数の面での反応は今ひとつ。今回の1~6月期決算と同時に発表された7月の既存店売上高は2.7%減と、3カ月ぶりに前年割れへ転落した。

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