とはいえ、「再婚夫×初婚妻」の組み合わせだけが伸びているわけではなく、「再婚同士」および「初婚夫×再婚妻」の組み合わせ数も全体的に上昇していることは確かです。
ちなみに、戦前1939年の人口動態統計をひもとくと、「初婚夫×再婚妻」の組み合わせは、年間でもたった1万4251件しかなく、再婚内構成比も16%に過ぎませんでした。それが、戦後に夫を亡くした妻の再婚や1980年代後半ころからの離婚数の増大したことに伴って増加しました。
では、皆婚時代の1980年から、2015年までの36年間の累計はどうなっているのでしょうか。
期間総婚姻数は2648万組(千人以下は切り捨て。以下同じ)、離婚数は770万組、特殊離婚率(離婚数/婚姻数で算出。人口千対の普通離婚率とは異なる)でいえば29.1%になります。その770万組中の再婚組数は549件で、離婚者の7割が再婚しているという計算です(※ちなみに、この数字はユニーク数ではありません。同じ男性が何度も離婚をして、初婚女性と複数回結婚しているという例もあると思われます)。
そのうち、お互いが再婚同士のカップルは197万組で、再婚全体の35.9%の構成比です。それよりも多いのが「再婚夫×初婚妻」のカップルで、約200万組、構成比は36.4%です。
これがどういうことを意味するかといいますと、再婚夫が、この36年間に延べ200万人もの未婚女性を妻にしているということです。結婚適齢期といわれる20~34歳の女性全体(有配偶含む)の人口はいつもだいたい1000万人程度(2015年では約968万人)ですから、なんとその20%にあたります。
しかし、一方で、「初婚夫×再婚妻」のカップルも最近増えていて、累計152万組もいます。意外にも、「時間差一妻多夫」の再婚妻も少なくないわけです。つまり、未婚女性が再婚夫とマッチングしている数は、実質的に差し引き約48万人多いという計算になります。
直近の2015年の実績では、未婚女性と再婚夫の組み合わせは1万8000人ほどです。一見少ないように思えますが、初婚同士の年間婚姻数の約4%に相当します。このように毎年これだけの人数の未婚女性がいなくなるわけですから、「結婚したい未婚男性」にしてみれば苦々しいかもしれません。しかし、未婚男性が結婚できない原因は、再婚夫だけのせいではありません。今後も、再婚数は増えるでしょうが、むしろそれは今まで生涯未婚だったかもしれない男女が再婚夫・再婚妻と結婚するチャンスが増えると、前向きにとらえることが重要です。
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