ファッション業界が挑む「年齢差別」との戦い 「歳を重ねる」という言葉は復権できるか?

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「我々はこれまで若さイコール美であるという考え方を植えつけられてきた。そして、商売のために若い女性の性的側面を強調することが主流となると、広告やショーに採用することが当たり前になった」と、トムのデザイナー、ラモン・マーティン氏は語った。 「そのキャスティングの方法が無視しているのは、そのほかの女性たち、デザイナーブランドの服を買えるだけのおカネとライフスタイルをもっている円熟した女性の一大グループだ。そうした女性に共感する、同じ年齢層の人たちを目の当たりにして、私はそのような女性たちのことを考慮するようにしている」

デザイナーブランド、トレーシー・リースも年齢の壁をなくす動きに重要な役割を担っている。コミュニケーションマネージャーのアリーサ・ジョーンズ氏によると、ブランドは消費者基盤の理解を反映した取り組みを行っているということだ。「当社の顧客がさまざまな年齢層に広がっていることを認識しており、そのことを反映させる必要性を感じた。その年齢層の女性を代表する誰かが当社の服をまとっているのを顧客が目にすることで大きな違いが生まれてくる」。

トレーシー・リースの2017年春キャンペーンからの画像

変わりつつある認識

ショーのランウェイやマーケティングキャンペーンに登場する50歳以上の女性モデルの割合は比較的小さいが、彼女たちの存在は話題になる。カルバン・クラインは、73歳の女優ローレン・ハットン氏が同ブランドの最新下着キャンペーンに抜擢されることを4月末に発表したばかりだ。

一方で、元モデルのタイラ・バンクス氏は、自身の人気リアリティー番組『アメリカズ・ネクスト・トップ・モデル』で参加者の年齢制限をなくすことを3月に発表している。また、モスクワを拠点にした新しいモデルエージェンシー、オルドゥシュカのように、45歳以上の顧客に限定して門戸を開くといった変化への明るい兆しを示す世界的な反響もある。

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