トヨタ「ハリアー」の好調が少し悩ましい理由 「C-HR」効果で恩恵を受けているのは一体誰だ
なぜこれがハリアーの販売増と関係しているのか。昨年11月ごろにC-HRの本格的な予約受注が始まって以降、ハリアーの販売台数が前年比を上回り始めた。これは何らかの影響を与えた可能性が高い。具体的には、話題の新型車であるC-HRに興味を持ってトヨタの販売店を訪れた顧客のうち、何らかの理由でハリアーに流れたケースがかなりの数に上るとみられる。
価格差があまりなくなるという意外な事実
ハリアーのほうがC-HRよりもずっと高価なクルマだというイメージを持っている人は少なくないだろう。ところが、モータージャーナリストの岡本幸一郎氏が2017年3月18日配信の「トヨタ『ハリアー』と『C-HR』の意外すぎる関係」でも詳しく解説しているように、発売直後で値引きの渋いC-HRの高価格帯グレードと、発売4年目に入って、それなりに値引きができるハリアーの売れ筋グレードを実際に購入する際は、価格差があまりなくなるという意外な事実がある。
初代ハリアーは1997年にデビュー。海外名は「レクサスRX」として登場した。「カムリ」系の乗用車プラットフォームベースのモノコックボディを採用した、クロスオーバーSUVモデルとして登場したハリアーは世界の自動車メーカーに衝撃を与えた。
その後2003年に2代目がデビュー。これも海外名はレクサスRXとして売られたものの、2009年にデビューした3代目レクサスRXは、ハリアーとは別物。3代目ハリアーはレクサスRXとは直接の関係性はなくなっている。とはいえ、エクステリアやインテリアには、歴代レクサスRXと同等の質感が演出されている。見栄えは抜群なクルマだ。
現行ハリアーの販売台数が急伸し始めた2016年11月は、C-HRの正式予約受注が始まっていたタイミングだ。C-HRを目当てにした来店客に対し、「思っていたよりも値が張る……」と購入に難色を示した顧客に対して、セールスマンがすかさずハリアーを勧め、契約を獲得しているという事実は販売統計上も現れている。
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