グーグルが「ポケGO」の次に描く"未来"の全貌 拡張現実(AR)の技術はここまで進化した
より複雑なAR技術には、スマートフォンのカメラで現実世界を映しながら、その中に3D画像を表示させるものがある。たとえば、買いたい家具を原寸大で自分の部屋に表示させる、といった使い方だ。これを実現するには、カメラや赤外線センサーで空間を認識しなければならない。
グーグルは「タンゴ」と呼ばれるAR技術を開発。昨年から基本的な仕様を外部に公開しており、現在は30以上のARアプリが出てきた。レノボやエイスースなどのスマートフォンメーカーは、タンゴに対応できる性能を備えた新製品を売り始めている。
服の”しわ”まで認識できる
米アパレルメーカーのギャップは、タンゴを活用し、ネット通販で品定めをしやすくなるARのアプリを開発した。自分のサイズを指定すると、スマホカメラの視界の中にマネキンが表示され、そこに気になる服をかぶせながらサイズを確認できる。
大きすぎてだぼっとしていたり、きつくてしわが寄っていたりといったことが視覚でわかるようになっている。「ネット通販の問題点は返品の多さだった。返品対応のコストもかかる。ギャップにとってARの導入は、経済的なメリットにつながったようだ」(グーグルのAR開発担当者)。
学校や美術館といった教育・文化目的でも使われ始めている。グーグルが進めるプロジェクト「エクスペディションズAR」は、たとえば理科の授業では心臓模型が動いている様子、歴史の授業では外国の著名な建造物をARで表示することで、よりリアルな教材にしている。米国でこの秋から本格的に始まる予定だ。
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