働き方改革で激論!医師は労働者ではない? 日本医師会・横倉会長に発言の真意を聞く

労働環境の改善には前向きである
私は心臓外科を専門にして、若いころは勤務医として厳しい労働環境の中にいました。手術をした患者さんの状態が悪くなると、何日も徹夜で大学病院に待機することもありました。
しかし、この環境ではいつまでも持たないと思い、教授に相談して「24時間3交代制」のシフトをつくったことがあります。これは24時間勤務をして、48時間オフにするというものです。このようなことから基本的に私は、勤務医の労働環境の改善には前向きであるということは分かっていただきたいです。
私の「医師が労働者と言われると違和感」という発言がインターネットなどで取り上げられていますが、真意が伝わっていないと思っています。人の命を助けるために医療を続けてきた者として、医療は労働なのかと言われれば、「一般の労働とは違う」というのが素直な気持ちです。
また、医師の労働のあり方は、地域医療体制と医師の健康維持の視点が重要であり、何時間の勤務が適当なのかなどという時間だけで規制する制度はそぐわないので、「違和感」という表現を使ったのです。