働き方改革で激論!医師は労働者ではない? 日本医師会・横倉会長に発言の真意を聞く
政府は3月、長時間労働を是正する方策などを盛り込んだ「働き方改革実行計画」を取りまとめた。労働時間に罰則付き上限を設けるものの、医師への規制適用には5年間の猶予を与えるというものだ。
これらの規制の方向性について日本医師会(日医)の横倉義武会長が、「医師が労働者なのかと言われると違和感がある。そもそも医師の雇用を労働基準法で規定するのが妥当なのか」と発言したことについて、現場の一部の医師から、「会長の発言こそ違和感」などと反発する声が上がった。横倉会長にその真意を聞いた。
労働環境の改善には前向きである
私は心臓外科を専門にして、若いころは勤務医として厳しい労働環境の中にいました。手術をした患者さんの状態が悪くなると、何日も徹夜で大学病院に待機することもありました。
しかし、この環境ではいつまでも持たないと思い、教授に相談して「24時間3交代制」のシフトをつくったことがあります。これは24時間勤務をして、48時間オフにするというものです。このようなことから基本的に私は、勤務医の労働環境の改善には前向きであるということは分かっていただきたいです。
私の「医師が労働者と言われると違和感」という発言がインターネットなどで取り上げられていますが、真意が伝わっていないと思っています。人の命を助けるために医療を続けてきた者として、医療は労働なのかと言われれば、「一般の労働とは違う」というのが素直な気持ちです。
また、医師の労働のあり方は、地域医療体制と医師の健康維持の視点が重要であり、何時間の勤務が適当なのかなどという時間だけで規制する制度はそぐわないので、「違和感」という表現を使ったのです。
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