「女の子はこうあるべき」から解放される方法 女子高生時代に学ぶから意義がある
――高校生の夏休みは進路選択に重要な時期です。ただ、LADYのプログラムは予備校が提供する受験対策とは趣旨が異なります。
河野:はい。受験はもちろん大事ですが、もっと大事なのは卒業後のキャリアを踏まえて進路を選ぶことだと思います。また、女子高校生が人生設計を考える際、「女性だから当たり前」と思い込んでいる「ジェンダー」の枠組みに気づくことも重要です。
ゲストスピーカーの方には「グローバル時代に必要なスキル」や「アイデンティティを考える」ワークショップ、「ジェンダーについて考える」講義をしていただきました。
昨年は通い形式で3日間のプログラムを実施しました。参加者からは、首都圏以外に住む人が参加しにくい、せっかくプログラムで刺激を受けた後、帰宅して日常に戻るのはもったいない、という意見をもらいました。それを踏まえて、今年は首都圏以外の女子高校生にもぜひ参加してもらいたいと思い、合宿形式で実施することにしました。
日本にいると「女性だから」とあきらめることが多い
――鎌田さんはハーバード大学の公共政策大学院に留学、帰国後は日本女性の「生きづらさ」の問題に取り組んできました。「ちゃぶ台返し女子アクション」という団体の共同発起人として、女性たち自身が声を上げることで状況を変えていく活動をしています。LADYのようなプログラムをどう評価しますか?
鎌田:女子高校生のリーダーシップと聞いたとき、「かかわりたい!」とすぐに思いました。なぜなら、日本にいると「女性だから」とあきらめることが多いからです。10代の女性たちに、そんなふうに自分で自分を枠にはめなくていいんですよ、と伝えたい。
私自身は、日本で会社員をした後、大学院でアメリカに留学したことで価値観が大きく変わりました。6割が留学生という学部で、女性もたくさん来ていました。私は「未婚で、子どもがいない今のうちでないと留学できない」と一大決心してきたのに、ほかの国から来た女性はもっと肩の力が抜けていました。夫と一緒に来ている人、子どもを連れてきている人もいて、「こんなに違うんだ……」とビックリしたことを覚えています。
日本では今も「母親になったら自分の人生はあきらめなくてはいけない」と思っている人が多いと思います。たとえば知人の女子高校生によると、彼女は進学校に通い専門職に就こうとしているのですが、同級生から「あなたはかわいいから結婚して家庭に入ったほうがいい」と言われるそうです。
普通に日本で暮らしていると、このような意見に流されてしまいがちです。女性が本当に自分らしく生きられる社会をつくるためには、女子高校生に働きかけることが大事だと思いました。
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