日本の脅威か?「中国-欧州」貨物鉄道の実力

「一帯一路」構想の先鋒、成功の鍵は貨物量

ロンドンからの出発に際し、居合わせた記者らは往路便が到着してから復路便が出発するまでに3カ月以上もかかった理由について関係者に問い質したところ、義烏側のカーゴフォワーダー会社の幹部は、「ロンドン便貨物列車は始まったばかり。貨物輸送が定期運行化され、中国と欧州を結ぶ重要な輸送インフラとなれば、沿線の人々が徐々にそのすばらしさを理解することだろう」と余裕の構えを見せた。

多くの国々をまたいで走る国際貨物列車は各国に入る際に通関が必要となるが、英国で貿易商を営む中国籍の女性は「通過各国が中国の『一帯一路』政策に理解を示し、通関手続きを簡素化すると聞いている。船便と比べ半分の日数で中国に商品を届けられるうえ、航空便を使うより圧倒的に安いのが魅力」と手放しで歓迎している。

一方、英国のメディアは、欧州連合(EU)からの脱退を控えた英国がアジアの大国・中国を貨物列車で結ぶ意義について、「EU以外の国々との貿易の枠組みを強化するための一環では」との見方を示している。

51ものルートがある中国―欧州間の貨物列車

「中欧班列(チャイナ・レールウェー・エクスプレス)」と呼ばれる中国と欧州を結ぶ貨物列車をあらためて紹介してみよう。

中国から欧州行きの貨物列車は2011年3月、内陸部の重慶からドイツ北西部のデュースブルクに向けて走ったのが最初だ。それ以来、今年4月までの累計運行数は3600本を超えた。始終点は中国側が27都市、欧州側が11カ国28都市で、それらを相互に結ぶ列車は、重慶―デュースブルク間、成都―ポーランド・ウッジ間、鄭州―独ハンブルク間など、全部で51ものルートに達している。

前述のように、旧ソ連領の各国を走る際には軌間の違いからコンテナを積み替えねばならないが、関係者によると「600トン分のコンテナを40分で積み替えた記録もある」という。ちなみに、前述の義烏からはロンドン行きのほか、スペインのマドリード行きもあるが、この場合は標準軌のフランスから広軌のスペインに入る際に、さらにもう一度積み替えることになるという。

では、これらの列車はどんな経路を走っているのだろうか。

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