バスにはバスで対抗、ドイツ鉄道の大胆戦略

列車の弱点をカバー、今後各国で広がるか

ニュルンベルクに到着したICバス。長距離を走ってきたにもかかわらず遅延はなかった(筆者撮影)

これまで各国の鉄道インフラを維持するために規制されていた、欧州各国内の都市間路線バス事業。しかし2009年、国際長距離路線バスの一部を国内の都市間路線バスとしても活用するという法案がEUによって可決されると、その後は各国とも長距離路線バス市場を開放し、参入の自由化が進められた。運賃面で鉄道に対して大きなアドバンテージがある路線バスは、年々その存在感を増しており、各国鉄道にとってその成長は脅威となっている。

2月2日付記事「相次ぐ強敵、競争にさらされる『ドイツ鉄道』」でも解説したとおり、ドイツ鉄道は現在、民間高速路線バスの台頭により収益を大幅に落として苦境に立たされており、高速列車ICEの路線網拡大や、その他優等列車の運用見直しなどの対策を迫られている。

鉄道が劣勢のルートを結ぶ

その一方で、直通の鉄道路線がない区間や、線形の関係で鉄道が劣勢となっている区間に「ICバス」という路線バスの運行を行っている。これはまさに、規制緩和を逆手に取ったドイツ鉄道の反撃ともいえる。ICバスとはどのようなバスなのだろうか。実際に乗車し、鉄道での移動と比較してみた。

今回筆者が利用したのは、ドイツのニュルンベルクからチェコのプラハ間の国際ルートだ。古くはドイツ鉄道、その後は民間会社Alexが同区間の直通運行を行っていたが、利用率の低下により、現在この区間に直通列車は運行されていない。

この区間で鉄道を利用した場合、途中1回の乗り換えで所要時間は4時間58分、29ユーロ。一方、路線バスはすべて直通運行、所要3時間35分で運賃は14ユーロからとなっており、軍配がどちらに上がるかは明らかだ。

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