カリフォルニア高速鉄道、日本勢の勝機は? 運行会社5候補が発表され、受注競争は佳境に
米国カリフォルニア州の高速鉄道計画を主管するカリフォルニア州高速鉄道局は4月4日、「初期運行事業者」の資格審査を申請した5つの企業連合体の名前を発表した。
カリフォルニア高速鉄道計画は2つのフェーズに分かれて建設される。第1フェーズは、サンフランシスコ―マーセド―ロサンゼルス―アナハイム間(約800キロメートル)に、最高時速350キロメートルの高速列車を投入し、3時間以内で結ぶもの。
第2フェーズはサクラメント―マーセド間(約180キロメートル)と、ロサンゼルスーサンディエゴ間(約270キロメートル)の2つの区間を建設するものだ。完成すれば総延長は約1250キロメートルに及ぶ。これは東海道・山陽新幹線・東京―博多間(1174キロメートル)よりも長い。
着工は2015年
第1フェーズの一部区間は2025年に先行して開業する。サンフランシスコ―ロサンゼルス間は2029年に開業予定だ。第1フェーズの工事完了に引き続き、第2フェーズに移る。
第1フェーズの総建設費だけでも642億ドルが見込まれる。日本のリニア中央新幹線・品川―名古屋間の事業費5兆5000億円を上回るビッグプロジェクトだ。
米国西海岸の主要都市を高速鉄道で結ぶ構想は1980年代初めに持ち上がった。当初の事業化調査には日本の国鉄や大手商社が協力しており、日本との関係も深い。しかし巨額の事業費の調達方法や用地買収のトラブルをめぐって議論が進まず、ようやく着工されたのは2015年1月になってのことだった。
今回、州高速鉄道局が募集した初期運行事業者の役割は多岐にわたる。まず開業前に鉄道規格、列車や駅舎の設計、運行管理、運賃、マーケティング、収支計画などについて州高速鉄道局に助言を行う。つまり、高速鉄道計画のすべてのグランドデザインを行うということだ。
また、正式に運行事業者が選定されるまでの運行業務も担う。正式運行事業者に自ら応募することもできる。つまり、初期運行事業者に名乗りを上げることは、事実上の運行事業者として名乗りを上げることだと言っても差し支えないだろう。最終的に候補者が絞られるのは今年の夏ごろの予定だ。
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