これまでは北京郊外の別荘に住んでいたが、そこを引き払って3カ月前に引っ越してきたという。周囲に映画業界の人たちが多く住んでいるから、と教えてくれた徐はとてもうれしそうだった。
「多くの人が女優やスターになりたいという夢を抱くでしょう。私もスターになるのが小さい頃の夢でした。でも夢は夢でした。実現する方法はありませんでした。だから私も皆と同じように普通の生活を選んでトリマーを仕事にしました。ペットがとても好きで毎日犬や猫と過ごすのが楽しかったです。でもネット生中継によって私は夢を実現することができました。もちろん始めた頃はそんなこと考えてもいませんでした」
トリマーの頃の写真を見せてもらった。ピンクのエプロンを着け、左手でトイプードルの口元を押さえ、右手でハサミをかざしていた。表情は真剣そのものだった。顔の造作は今と同様整っているが、輪郭は少しふっくらしていた。そしてずっと控え目な印象だった。
ネット生中継は「夢をつくる機械」
今、私の目の前に座っている徐は、写真の頃よりもずっと明るい表情で、自信にあふれている。
「ネット生中継は本当に奇妙なハイテクです。ネット生中継を始める前は、私は普通の平凡なペットのトリマーで、店のオーナーで、毎日ペットの相手をしていました。でもネット生中継によって人脈もできて本当に女優になれました。想像もしなかったことです」
そこまで言うと彼女は、視線を落としてうーんと一瞬考えた後、再び顔をぱっと輝かせてこう続けた。
「一言で言うと、ネット生中継は夢をつくる機械です」
本人はその表現が気に入ったらしい。もう1度「夢をつくる機械」とつぶやいていた。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら