プレミアムフライデーで休日格差が広がる?

完全週休2日制を採用していない企業も多い

賃金増減率の推移を2009〜2016年を前年比で、2016年1月〜2017年2月を前年同月比で分けて見てみると、実質賃金の前年比は2014年以降徐々に上昇しているものの、まだ1%にも至っていないことがわかる。また、実質賃金の前年同月比は2016年6月に2%に達したものの、それ以降は低下基調である。このように実質賃金が伸びないことが家計の購買力低下の原因になっていると考えられる。

今年の4月には国民年金の保険料が月額1万6260円から1万6490円に引き上げられて、9月には厚生年金の保険料率が18.182%から18.3%に引き上げられる。また、協会けんぽ等の健康保険料率も昨年に比べて上昇している。賃金が上がっても、社会保険料等の負担が増加すれば、手取りの収入は大きく変わらない可能性が高い。現在、公的年金の所得代替率の引き下げや支給開始年齢の引き上げ等が議論されていることを考慮すると、家計としては将来の収入増加が確実に見込まれないかぎり、休日や休む時間が増えても消費を増やすことは難しいだろう。

労働分配率の引き上げが必要

プレミアムフライデーの課題は、制度の実施が企業に義務づけられておらず導入するかどうかは各企業の判断に委ねられていることである。また、労働者にもプレミアムフライデーの利用は義務づけられていないので、会社の経営方針や企業文化により利用率に差が発生する。月末が繁忙期である金融業界や経理部門等では利用が特に制約されがちである。さらに、プレミアムフライデーに早く帰るために、ほかの日の残業時間を増やす人や、労働時間の減少が収入減少につながることを懸念して、プレミアムフライデーを利用しない人もいるだろう。

DeNAトラベルが2017年1月11〜15日に実施した調査結果によると、プレミアムフライデーを導入しているか、導入を予定している企業の割合は調査時点で2.2%にとどまっている。導入予定がない企業が55.0%にも達しており、「わからない」と答えた割合も39.5%を占めている。プレミアムフライデーは企業に浸透していないという結果だった。

プレミアムフライデーをより普及させ労働時間の短縮や消費の改善につなげるためには、税金や社会保険料の負担増加によりあまり伸びていない家計の手取り収入(可処分所得)を増やす政策が求められる。

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