「折れない」シャープペンはこうして生まれた 5年をかけ開発、ゼブラ「デルガード」がヒット

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芯が折れないシャープペンとして「デルガード」の販売は好調だ(写真:ゼブラ提供)

ペーパーレス化などどこ吹く風。筆記具業界の拡大が続いている。経済産業省の調査によれば、2016年の筆記具の市場規模は1640億円と、5年連続で増加した。なめらかな書き味をウリにした三菱鉛筆の「ジェットストリーム」、摩擦熱でインクが消えるパイロットの「フリクションボール」など、ボールペンが牽引役になっている。

ただ伸び率で際立っているのはシャープペンだ。市場規模こそボールペンの4分の1ながら、成長率はボールペンやマーキングペンなどを圧倒する。2016年のシャープペンの出荷金額は190億円と、この5年間で32%も増加した(ボールペンは同24%増の795億円)。

「機能に特色のあるシャープペンが売れている」と話すのは、東急ハンズでバイヤーを務める江守一王氏だ。「握りやすく疲れにくい」「落としても中で芯が折れない」「芯が最後の1ミリまで使える」……、文房具売り場には機能を訴求した商品が数多く並ぶ。1000円を超えるなど高単価の商品の売り上げも好調という。

ゼブラ新製品が2年で1000万本のヒット

高機能シャープペンのさきがけとなったのは、2008年に発売された三菱鉛筆の「クルトガ」だ(税抜き450円~)。筆記中に芯が回転することで、常にとがった芯先で書くことが可能だ。発売から5年で2000万本を売り上げる爆発的ヒットを飛ばし、現在でも人気商品の筆頭に挙がる。

そして今、クルトガと双璧をなす人気商品になっているのが、ゼブラの「デルガード」だ(税抜き450円~)。2014年11月の発売からわずか2年で1000万本を売り上げた。「日経POS情報のデータでは、機能性シャープペンでのシェアはそれぞれ3割を占め、トップを競っている」(ゼブラ広報)。

デルガードの特徴は芯が折れないというものだ。強い筆圧がかかると、先端の金属部分が自動で出てきて芯を包み込み、折れることを防ぐ。「シャープペンの最大の欠点は芯が折れてしまうこと。デルガードがヒットした理由はその宿命を防いだ点にある」と、文具コンサルタントの土橋正氏は解説する。

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