高級総菜店「RF1」がイモ不足に陥らないワケ

「雪解け」を利用した独自の保管方法とは?

一方、ロック・フィールドは一年中、鮮度のある北海道産のジャガイモを調達できる。それを可能としているのが、北海道北見市端野町の契約農家と構築した「雪中備蓄」という独自の保管方法だ。鮮度が落ちてくる2月ごろから、自然の雪を利用して倉庫内の湿度を適切にし、ジャガイモの寿命を保つ。

きれいな雪をコンテナに詰め込み、倉庫の壁に沿って積み上げる(写真:ロック・フィールド提供)

端野町の1000坪の倉庫では、土が交ざらないきれいな雪だけを詰めたコンテナが壁に沿って4段積み上げられる。その数およそ300基。

雪のコンテナに囲まれるような形で、ジャガイモのコンテナが置かれる。倉庫内では、送風をコントロールして適度なスピードで雪が解けるように管理している。

絶妙な雪解けを試行錯誤

湿度が高すぎると水分を含みすぎて腐ってしまう。湿度が低いと乾いてしまい、いわゆる“カピカピ”の状態になってしまう。適度に、バランスよく雪を解かしていき、8月ごろ、つまりジャガイモの次の収穫が始まる直前に倉庫内の雪がすべてなくなるように設定している。

雪のコンテナで囲まれた倉庫内にジャガイモを保管。送風で雪解けを管理しいつでも最適な状態を保つ(写真:ロック・フィールド提供)

この方法は、コメを氷室(雪や氷を貯えておく室)で保存してきた現地の知恵を応用したもの。契約農家と試行錯誤を繰り返し、1997年にようやく手法を確立した。

貯蔵方法が優れているとはいえ、十分な供給量を確保できていなければ意味はない。 

「ジャガイモ、大丈夫かな……」。昨年8月、台風による被害を心配したロック・フィールドの岩田弘三会長兼社長は端野町に飛んだ。現地に入ると、冠水やジャガイモの流出など被害を受けた畑が目に入る。青ざめる岩田会長に対し、契約農家が口にしたのは「契約している量(年間約1000トン)はロック・フィールドに必ず届ける」という言葉だった。

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