高級総菜店「RF1」がイモ不足に陥らないワケ 「雪解け」を利用した独自の保管方法とは?
ジャガイモ不足が顕在化し、ポテトチップスなど一部商品の販売に影響が出ている。そんな状況下で、サラダ総菜を展開するロック・フィールドは逆に、ジャガイモ商品で訴求するキャンペーンに打って出た。
「どんな時も、強い絆で。」
デパートの地下などに店舗を構える「RF1」や「グリーン・グルメ」、そして「神戸コロッケ」の各ブランドで、4月20日頃から北海道産ジャガイモの農家との直取引を強調したPOP広告を掲げ、ポテトサラダやコロッケを拡販している。
「店舗のPOPを見て、『RF1はジャガイモに強いのね』と言ってポテトサラダを購入された顧客もいる」(東武百貨店池袋店の店員)と、同社はキャンペーンに手応えを感じているようだ。
昨秋の台風で収穫が減少
北海道産ジャガイモといえば、このほど供給量不足が表面化したばかり。国内出荷量の約8割を占める北海道産は、収穫時期の昨秋に襲った台風の影響で収穫が減少。これが痛手となり、大手菓子メーカーは一部のポテトチップス商品の販売休止に追い込まれた。
総店舗数300を超える総菜店で年間1000トン以上のジャガイモを使用するロック・フィールドも、北海道産に頼る。男爵イモは全量、メークインも主に北海道産を使用している。
にもかかわらず、同社はなぜこのタイミングで、ジャガイモ商品の拡販に乗り出すことができたのか。その理由は、契約農家とともに考案した独自の貯蔵方法にある。
菓子メーカーなどジャガイモ関連商品を扱う企業にとって、4月は「端境期」といわれる。9月から10月にかけて収穫される北海道産のジャガイモは、一般的な倉庫での貯蔵だと3月ごろには芽が出てきて使い物にならなくなる。
今回のように北海道産の収穫量が十分でない場合、5~7月に収穫される九州産で一部を補うことができるが、その出荷が始まる前のちょうど4月あたりが「空白期」となるのだ。
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