アウトプットも中間アウトプット(得意先ニーズリスト、案件候補リスト)と最終アウトプット(営業計画)があるため、それぞれのプロセスが何をしたら完成して次の議論に移れるのかがわかるようにしてあります。このようにIPOを設計して共有することで、資料を準備する人も、会議に参加する人も最終アウトプットに向けて時間を意識しながら進めることができます。
これは物事を論理的に整理しながら進めていくIPOですが、新しい商品の企画や斬新なアイデアを出したいのであれば、また違ったものにします。
たとえば、インプットは考えが広がるようなさまざまな情報を持ってきます。考えを発散させるためのものですので、しっかりと論理的に作り込んだり、精緻なデータ分析をする必要はありません。このように議論のプロセスや何をアウトプットするかがわかれば、インプットする資料もおのずと決まってくるので、無駄な資料を作ることは少なくなりますし、「考えの発散を促すなら資料という紙の形式にこだわらないほうがいいかも。記事や動画クリップ、実物や写真などできるだけイマジネーションを刺激するようなものにしてみよう」などインプットをより効果的にすることにもつながるでしょう。
アイデアを出す会議のプロセスでは、ブレーンストーミング形式や前回の記事(「ビッグワード」を多用する人が隠す理解不足)で紹介したようなラテラルシンキングのツールを使って進めてもよいでしょう。ブレーンストーミングというと、好き勝手に思い思いのことを発言すると思われている節もありますが、実際には、以下のようなルールがあります。
プロセスも工夫する
また、上の人を気にして、若い人がなかなか思い切った発言ができないことが想定されるようであれば、「ポストイットに1人10枚書いてホワイトボードにはりつける」などプロセスを工夫することで、アイデアが出てこないという事態を防ぐことも可能です。
アイデア出しの会議の場合には、その場で発散した議論を収束にもっていく場合もあれば、いったん寝かせて後日収束させるなど、プロセスをどこで区切るかも考えたほうがよいでしょう。
とりあえず関係者を集めて、何となく物事を決めるために、必要そうな情報を盛り込んだ資料を作成するというやり方では短時間で確実に決める会議は難しいでしょう。IPOを意識することで、自分の資料作成だけではなく、参加者全員が実りのある時間を過ごせるようになります。
次回の会議ではIPOで会議をデザインしてみてくださいね。
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