「会議が下手」な人に欠けた致命的な4つの点 なぜ「長い」「決まらない」ばかりなのか

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パターン(4):アウトプットに5W1Hがない

せっかくよい意見が出たにもかかわらず、最後のつめが甘いため、実行されないというもったいないパターンです。議論も盛り上がり、よいアイデアも出たのに、「じゃあ、とにかく今まで以上に気をひきしめて今期の目標達成に邁進すること」など具体性のない気合い入れで会議が終わってしまうことも。しばらくすると「あれ、どうなった?」と誰かが言い出し、また関係者が集められる……という会議の連鎖にも。会議資料では最後に誰が、いつまでに、何をするのかということを、誰が見ても誤解がないように決めるためのアクションシートが必要なのです。

こういった事態にならないためには、IPOを意識した会議の設計と、それを促進するための資料が必要です。これらを意識しないと、徹夜で作成した大作であっても、いたずらに会議を長引かせることになってしまうのです。

IPOを制するものは会議を制す

私は、コンサルタントとして、多くのクライアント企業で会議や報告会などを行ってきました。参加者はその企業のトップの方々であることも多く、会議の延長は許されません。その場で決まらないと、再び超多忙なトップの調整をするのは難しいですし、プロジェクト期間を延長することもできませんから、おのずと時間内で確実に決めるための工夫を考えるようになってきました。

特に膨大なインプットをもとに議論を進めて今後の方針を決める会議では、IPO設計をしっかりしておかないと、単なる情報共有で終わってしまいかねません。そこで、重要な会議では、図のようなIPOを作成し全員で共有することにしていました。

この図は重要な得意先企業に対して、営業計画を作成することを目的とした会議のIPOです。営業部門だけでなく、商品・サービス部門やスタッフ部門なども加わり、会社の総力を結集して営業計画を立てるという会議です。参加者が集まるコストを時給換算で計算すると、1時間で500万円を超えているというときもあり、1分たりとも無駄にできません。決まらなかったので、再度集まってくださいということも言えません。

しかし、時間は1時間しか取れないということですから、得意先企業の業界や企業情報を全員がしっかり理解するインプットの時間を多くとってしまうと、ニーズを抽出したり、案件を考えるという参加者の方々が意見を出すべきいちばん重要な時間がとれません。そこで、インプット情報は事前にすべて参加者に送付して理解してから会議に出ていただくということにしました。よって、プロセスの冒頭の「1.得意先理解」は5分ですむようにしているわけです。

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