悪質「不動産コンサル」の食い物になる人たち 不当な「マージン」の慣習はいつまで続くのか
不動産・建設業界はバックマージン天国だ。たとえば、不動産仲介会社がリフォーム会社に顧客を紹介し、成約になれば7〜10%のバックマージンが不動産会社に渡る。リフォーム工事価格が200万円と提示されていても、バックマージン分を考慮すれば実質的には180万円に過ぎない。そうした余計な出費を、わざわざ負いたいという人はいないだろう。今回は、マンション管理コンサルの世界におけるバックマージンの問題について考えてみよう。
「安すぎる見積もり」でだまされる管理組合
多額の費用がかかるマンションの大規模修繕では、特に大きな問題が起きがちだ。マンション管理組合の役員に、建物や法律に詳しい専門家がいることはまれであり、そうした場合は、工事の必要性や価格の妥当性を判断することができないからである。そこで、マンション管理会社や設計事務所、コンサル会社などが間に入り、劣化診断や建物調査、見積もり比較、業者決定のアドバイス、工事の進捗管理などを行うのが一般的だ。
このように設計コンサルタントなどが管理組合の意思決定をサポートする、いわゆる「設計監理方式」では、管理組合が委託したコンサル会社などが、管理組合の利益最大化を図るべく、大規模修繕見積もりの妥当性や、そもそもその工事が必要なのかをアドバイスすることが期待されているはず。しかし、実際にはまったくそうなっていないどころか、むしろ管理組合側に損失を被らせているケースも散見される。
特に、不自然なほどの低価格で見積もりを出してくるコンサルが接触してきたら、注意しなければならないだろう。まず間違いなく、裏でマージンの取引があると考えたほうがいい。目先の甘い話には、必ず理由があるものということを忘れてはいけない。
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