「週間天気予報」の的中率は75%程度だった ゴールデンウイークの天気はどうなる?
そこで、週間予報や、台風の進路予想などには、「アンサンブル予報」という別の手法も使って、誤差の拡大を防ぐようにしています。アンサンブル予報とは、ある時刻にほんの少しずつ異なる初期値を用意し、それぞれの結果の平均やバラつきの程度などから、将来最も起こりやすい現象を予報するというものです。
左の図は、台風進路のアンサンブル予報の例で、いくつかの初期値を基に進路を予想したものが、オレンジ色の線です。初期値はわずかな違いなのに、時間とともに進路のバラつきが広がっていくことがわかります。青色の線はこれらのアンサンブル予報の平均の値ですが、台風は必ずしも青色の線上を進むわけではなく、先島諸島や関東地方にも接近する可能性があるのがこの図から見て取れます。
週間天気予報の的中率は75%程度
こうして、週間天気予報は、数値予報の精度の低下を補うようにアンサンブル予報を使い、精度を保っています。それでも、今日や明日の天気予報と比べれば3~7日目の天気予報の精度はある程度は落ちてしまいます。
気象庁による2016年までのデータを見ると、2016年の降水の有無の予報の適中率は、17時発表の明日予報は平均して85%程度ですが、週間天気予報の3~7日目平均では、平均で75%程度となっています。それでも、週間天気予報の降水の有無の適中率は、年々精度が上がってきています。12カ月平均の値は1992年に比べて2016年は10ポイント近く上昇しているのです。
では、週間天気予報よりももっと先の予報にはどのようなものがあるのでしょうか。こちらは、1カ月予報、3カ月予報、暖候期予報、寒候期予報があり、まとめて「季節予報」と呼ばれています。1カ月予報は毎週木曜日、3カ月予報は毎月25日ごろ、暖候期予報は毎年2月25日ごろ、寒候期予報は毎年9月25日ごろ発表されています。
これだけ先の予報になると、いつ低気圧がやってくるかなどの予想が難しくなるので、週間天気予報とは違って、「○月○日は雨」などという予報ではなくなり、「1カ月先の関東地方の気温が(平年と比べて)『高い』となる確率は○%」という出し方をします。
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