北朝鮮で、デスクトップPCが人気な理由 小学校での授業開始がきっかけ、いじめ防止も?

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しかも、ノートパソコンの価格より半値で買えることも、人気に火が付いた理由と言う。北朝鮮では現在、中古のノートパソコンは2000~3000人民元(約3万2000~4万8000円)で買えるが、同じ中古のデスクトップパソコンは600~1500人民元(約9600~2万4000円)で買えるのが魅力だという。

さらに、パソコンを動かす電源確保も以前とは簡単にできるようになった点も大きいようだ。電力事情が悪い北朝鮮では、デスクトップパソコンはノートパソコンのように「バッテリー」がないため、家庭などではきちんと動かすことが難しかった。ところが最近になって、自動車のバッテリーを利用、あるいは中国産の家庭用発電機やバッテリーを使うことでデスクトップパソコンも使えるようになったことが、デスクトップパソコン普及を後押ししている一面もあると伝えている。

デスクトップは「検閲」で隠せず、カネあるならノート型

ただ、抜き打ちで行われる「コンピュータ検閲」があるため、ノートパソコンよりはるかに大きデスクトップパソコンは自宅に隠すことも難しい。そのため、「カネを持っている人はやはりノートパソコンを買い求める」というのも現実だ。

中古のデスクトップパソコンは、大部分が中国で使われ廃品処分されたもの。それを修理したり部品を交換することで再生させたものを、北朝鮮に運び出されるようだ。いわば密輸入だが、密輸入業者もこれまでのテレビに加え、デスクトップパソコンの取り扱いも増やしているようだ。また、一時は廃品になったがゆえに高性能を求めるべくはないが、RFAは「パソコンの勉強、音楽や映画を見る程度であれば問題はない」と割り切ったユーザーが多いと伝えている。

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