1ドル=110円の「堅い床」が「堅い天井」に? 110円割れが「常態化」してしまうのか
[東京 13日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点とほぼ同水準の109円付近。地政学リスクへの警戒感がくすぶる中、トランプ米大統領のドル高けん制発言が加わり、ドルは5カ月ぶり安値108.73円まで下落した。
早朝の東京市場で、トランプ大統領の「ドルは強くなりすぎている」との発言が伝わると、ドルは109円を割り込んだ。そのあと午前11時前に108.73円と、昨年11月17日以来の安値をつけた。午後は若干反発したが上値の重さが意識された。
ドルは、先月27日から110円割れを5回試したが5回とも跳ね返された。しかし、11日には110円を割り込み、前日から今日にかけて109円を割り込んだ。
過去2日間の下げのピッチが速いので、110円まで戻ってもおかしくないとの見方もある一方で「堅かった床は堅い天井になる」(金融機関)との指摘も聞かれる。
FXプライムbyGMO、常務取締役の上田眞理人氏は「勢いはついていないものの、ドル/円のトレンドは完全に下向きに転換したとみており、目先の下値めどは107円の半ば」と予想し、現状では円が買われているのみならず、円以外の通貨に対してもドルの弱さが目立つと指摘した。ドル/円では、円買いとドル売りが相乗効果となって、上値を抑えている状況だという。
市場では、近日中に公表予定の「米為替報告書」が注目されている。
米国は同報告書で日本の通貨・金融政策に対して厳しいコメントをする可能性がある。過去には日本の当局者らによる円高けん制発言に対してまでも、不快感を示した経緯がある。
トランプ大統領のドル高けん制発言を受けたドル売り局面では、ドル/円が急落し、ユーロ/ドルが急騰。ユーロ/円は値幅が出にくくなった。
ただ、市場では地政学リスクが警戒されており、ユーロ/円は「リスクオフが強まれば円買いによる下方バイアスがかかりやすい」と、バークレイズ証券のシニア為替・債券ストラテジスト、門田真一郎氏は指摘する。
一方、15日に故金日成主席生誕105周年を控えて、北朝鮮が何らかの動きに出ないか警戒感がくすぶっている。
ドル/円<JPY=> ユーロ/ドル<EUR=> ユーロ/円<EURJPY=>
午後3時現在 109.02/04 1.0668/72 116.31/35
午前9時現在 108.88/90 1.0668/72 116.16/20
NY午後5時 109.00/06 1.0664/68 116.26/30
(為替マーケットチーム)
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら