売り手市場でも学生の6割が不安に思う中身 面接、エントリーシート、ほかに苦手なのは?

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文理、大学クラスの違いはなく、約6割の学生が就活に不安を感じているのだ。リクルートワークス研究所が4月に発表する予定の、「大卒求人倍率」(民間希望就職者数に対する求人総数の倍率)は、今年も昨年並み(1.73倍)か、さらに高まることも予想されている。依然として、学生有利の売り手市場が続いているにも関わらず、不安に感じる学生は多い。もっとも、初めての就活に対して不安を感じているのだから、それが正常といえるかもしれない。

「やや不安である」「とても不安である」と回答した就活生に対し、不安の理由を聞くと、自分に自信がないためという、内向きの理由が多いように見える。

最も多い理由は「面接が苦手だから」19.1%、続いて「エントリーシート(ES)が大変そう」15.8%、「自己分析ができていないから」13.4%、「筆記試験が苦手だから」12.9%、「業界研究ができていないから」11.2%という順番だ。

早く動いた学生ほど楽観視

これらはいずれも、事前に準備することができるものばかりだ。現在の学生は恵まれており、キャリアセンターに行けば模擬面接が受けられるし、エントリーシートの書き方も指導してくれる。自己分析はキャリアカウンセラーが手伝ってくれるし、業界研究も学内セミナーで学ぶことができる。それにしては、このように恵まれた環境を十分、使いこなしていないのではないだろうか。

学生の楽観と不安を分けるものを、データから探していくと、2つのポイントがあるようだ。ひとつは「就職活動を始めた時期」、もうひとつは「すでに行った就活」だ。

まず、始めた時期との関係だが、3年生の12月以前に就活をスタートした学生は、楽観の傾向が高い。一方、今年に入って活動を始めた学生は、不安の傾向が強い。当たり前の話だが、早く始めた学生ほど、活動量が多い。事前の活動による経験が自信を生んで、就活を楽観視できる状態にまで高めている。

いくつかの例を紹介しよう。和歌山大学のある理系学生は「やや楽観」しているが、就活としてすでに行ったものを見ると、「リクナビ」「マイナビ」などの就職サイトへの登録、「みんなの就職活動日記」などの口コミサイトやSNSサイトへの登録、インターンシップへの応募、学内企業セミナーへの参加、OB・OG訪問(OB・OG懇談会)、企業の個別セミナー、会社説明会への参加、応募エントリーシートの提出、企業の選考面接と、その活動は極めて活発だ。

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