最弱な新入社員の特徴その1が、なんといっても学生時代の気分がまったく抜けない人たちだ。
的外れ、目立ちたがり、面接だけはうまかったのに…
先輩社員になぜだか友達として振る舞い、入社初日で早くも反感を買ってしまう、ダメダメな新入社員の人たち。
全体会議でもゼミの時の発表よろしく、積極的に手を挙げては的外れな発言を連発し、社員全体をドギマギさせる。
揚げ句の果てに、地道な仕事はまったくやらないのに、会社の慰労会などのイベントの司会など、目立つ仕事だけはすべて積極的に引き受けるのだから、手に負えない。
日本ほど、「大学生に対する寛容性」と「社会人に求める規律正しさ」のギャップが大きい社会はない。
この社会から求められる行動規範の変化に適応できない人は「会社生活への不適合者」として、入社早々、そのキャリアの先行きに、ダメダメのバッテン印がついてしまうのである。
次に最弱新入社員の典型が、面接では大活躍したのに、入社したあとは毎日その面接担当者を「後悔のどん底」に突き落とす人たちである。
これは、就活市場が売り手市場で、企業がこぞって採用数確保のために前のめりの採用活動をしていることと無関係ではない。面接対策や就活コーチングを施す塾やセミナーの増加に伴い、面接のテクニックだけは達者だが、仕事の意欲は「まったくない」人が急増しているのである。
私はうわべだけの就活対策や面接対策には猛反対である。自分の志望動機が低く、適性のフィットもないのに、とにかく面接で「その会社が聞きたがること」「聞いて喜ぶこと」だけを振り付けし、面接だけ難なく突破して、入社後に活躍できるわけがないからだ。
就職活動や採用活動の成否は、単にその経歴に見合った「よい会社」に入ることではない。そもそも入社後も自分がモチベーションを高く保ち、自主的に仕事に励みたくなるような精度の高いキャリアマッチングができているかどうかが大切なのだ。
この点、面接だけは難なくこなしたものの、まったく適性のない職場に入ってしまった人は、入社早々、「スタートダッシュ」の反対ともいえる「スタートストップ」状態に陥ってしまうのだ。
そしてやりたくない苦手な仕事の重圧に押しつぶされ、5月病を待たずして、早くも4月病を発症してしまうのだから、私はお手上げで、すっかり降参である。
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