テレビが「バカにしていた」ネットに頼る皮肉

情報番組の2割を「ネット発」が占める実態も

1つは2016年9月1日、がん闘病中のフリーアナウンサー・小林麻央さんがアメブロを開始し、病気や日々の生活について書くと宣言した翌日・9月2日にオンエアされた「とくダネ!」と、「情報ライブ ミヤネ屋」(日本テレビ系)におけるブログに関する露出時間だ。

ニホンモニターによれば、「とくダネ!」は番組本編時間1時間31分45秒のうち17分42秒、実に19.3%の時間でこの話題を取り上げた。「ミヤネ屋」は、同1時間35分30秒のうち2分25秒と同2.5%だった。

もう1つが、2017年1月11日の「ミヤネ屋」、「羽鳥慎一モーニングショー」(テレビ朝日系)、「ひるおび!」(TBS系)。米大統領就任直前のドナルド・トランプ氏がトヨタ自動車に対し「メキシコに工場を作るだなんてとんでもない。もしそうするなら多額の輸入税をかけるぞ」とツイートしたことに関連するニュースだ。

「指先介入」「トランプ砲」などと報じられた一連の話題について、「モーニングショー」は同1時間35分55秒のうち22分20秒と23.3%の時間を割いた。「ひるおび!」は同2時間50分00秒のうち32分48秒と同19.3%、「ミヤネ屋」は同1時間35分30秒のうち2分23秒と同2.5%の時間を使った。

「ミヤネ屋」はいずれも控えめな取り上げ方だったが、ほかの人気情報番組は2割前後という決して小さくはない時間を、ネット発の情報を基に構成したということになる。

ネット広告市場はテレビ広告に迫る規模

1990年代後半に勃興したネット広告市場は2006年に雑誌、2010年に新聞を抜いた。2014年に1兆円を超え、2016年は約1.3兆円。同2兆円弱のテレビ広告に迫る規模になっている(2016年の新聞広告市場は約5400億円、雑誌は約2200億円、いずれも電通調べ)。アップル「iPhone」をはじめとするスマホの爆発的普及や高速通信網の整備などに伴って、「いつでもどこでも」ネットにつながる環境が整ったことが要因として大きいが、いまや「ネット=社会の1つ」となっている。

マスメディアの企画の立て方もいろいろと変わってきている。ネット上での諍(いさか)いやら、ほのぼの動画、あとは「大学生協がプリンを大量に発注し、ツイッターでSNSを出したら近隣の大学からも学生がやってきて見事売りさばけた」といった美談もメディアの企画のネタになる。

テレビマンはいかにしてネットを活用しているのか。とある民放の情報番組のディレクターはこう語る。

「ネットは1次情報として非常に活用しています。新聞サイトもそうですし、NHKのサイトもそうですし、ツイッターとか、あとはライターやジャーナリストの発信する情報なども、かなり活用しています。それを後追い取材したり、社内のシステムで裏付けを取り、放送に乗っけていったりする手順を取っています。ただし、一個人の炎上とか、ニュースバリューとしては低いと思いますね。」

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