「独身女子」が陥る「貯金地獄」というワナ 29歳で貯金1300万円なのに老後が超不安
ともかく、老後までに準備するおカネが「見える化」され、1億円も必要ないことをお話しすると、S美さんは、ようやくほっとした様子を見せてくれました。「今まで『見えない敵』と戦っているみたいだったけど、目標金額がはっきりしただけで、本当にスッキリしました」とうれしそうに語ってくれました。
この先、同じペースで働けなくなったり、結婚などでライフプランが変わったりして、今と同じようなペースで貯蓄ができるかわかりませんが、堅実に生活する習慣が身に付いているS美さんであれば、地道に目標金額を達成できるでしょう。
貯める力のある人は「おカネの使い方」の研究を
そういうS美さんですから、筆者としてはむしろ、今後は貯めると同時に「おカネを使う」ことも楽しんでほしいと、お話ししました。
おカネを貯めることに意識を集中しすぎて、友人たちや会社の同僚の誘いも断りがちだったそうなので、大切な人たちと過ごす時間におカネを使ったり、自分自身を磨くためにおカネを使ったりなど、「おカネの使い方」にも意識を向けるとよいでしょう。
別のケースですが、以前、65歳で3億円の資産をお持ちの独身女性の方が相談に見えたことがあります。長い間コツコツ地道に節約して貯めてきたおカネなので、「いざ使おうと思っても何に使ったらよいのかわからない」「遊びに行く友人もいない」と言っていたのが印象的でした。
もちろん、むやみやたらに使うのは問題ですが、S美さんの場合、「貯める力」は十分にあるので、今度は「おカネの使い方」を研究してほしいところです。一部を気晴らしに使うもよし。スキルアップ、健康、人脈づくりに使うもよしです。中でも人脈を広げることはとても大事で、老後も付き合えるすてきな出会いが待っているかもしれません。
今回のケースのように、漠然とした不安を抱えてやたらと節約に励んでいる人は少なくありません。不安を払拭するには、まず不安を「見える化」することから始めましょう。
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