「独身女子」が陥る「貯金地獄」というワナ 29歳で貯金1300万円なのに老後が超不安
このように地道な節約生活を送ってきた結果、S美さんは、20代にして1300万円の貯金を達成したわけです。
「老後資金」はシングルでいくら必要?
にもかかわらず、なぜS美さんは老後が不安でたまらないと相談してきたのでしょうか。ニュースや雑誌などで「老後は1億円必要」という文字を目にするたびに不安が募り、夜考えすぎて眠れないこともしばしばと言いますが、そこまで不安にならなくてもいいのでは?
するとS美さん曰(いわ)く、「私たち20代は生まれたときからデフレの時代を生きているので、日本の景気のよいときを知りません。年金ももらえるかわからないし、将来が不安でたまりません」とのことです。
29歳といえば、これから結婚や出産などワクワクするようなライフイベントが待ち受けているのではないかと思いますが、それよりも老後が不安になってしまうというのは、今の世相を表しているのかもしれません。
金券ショップ、クーポン、おトクなサイトをフル活用するくらい情報を収集し、比較するのが上手なのに、老後資金がいくら必要なのかについては正しく認識していなかったことに驚きを覚えたのでした。
S美さんのように将来の漠然とした不安を抱えている人は、まず、不安の「見える化」をすることが大切です。
そこで、老後までにいったいいくらのおカネが必要なのかをざっくりと計算してみることにしました。
とはいえ、20代のS美さんには老後のリアルな生活はイメージできないでしょうから、老後のおカネを計算するにあたり、現在の高齢者の方たちの収入と支出を参考に算出することにしました。
平成28年総務省家計調査報告によると、高齢単身無職世帯(60歳以上の単身無職世帯)の収入は12万0093円です。それに対して支出は15万6404円となっています。
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