日経平均2万円「おあずけ」は誰のせいなのか 米国株には見劣るが4月の外国人買いに期待
もう少し深掘りしてみよう。1990年以降、海外勢の「1~3月売り越し局面」は計5回あるが、①1990年(土地融資の総量規制)、②2008年(米金融危機)、③2009年(同)、④2014年(新興国通貨不安)、⑤2016年(原油急落)と明確な理由があったことがわかる。それでも、いずれもこの5回とも、割安感があったという側面はあるかもしれないが、4月には買い越しへ転じている。
日経平均株価の下値は堅い
売買シェア6~7割を占める海外勢が動けば、4月以降の日本株は需給好転も期待できる。また、昨年夏に増額した日銀の上場投資信託(ETF)の買い入れが年6兆円、企業の自己株自社株買いも年6兆~7兆円近く見込まれる。さらに4月は新年度入りを機に、国内機関投資家の積極運用も期待できる。
以前から指摘しているように、2017年に入ってからの日経平均株価は上値も重いものの、下値も堅い。日経平均は1月安値の1万8787円から3月高値1万9633円までのモミ合いが続いている格好だが、その値幅はわずか846円だ。
モミ合いの期間はほぼ3カ月に及ぶが、大幅に損をしている投資家は少なく、この価格帯での「しこり」はほぐれつつあるとの見方もある。
3月16日以降の東証1部売買代金は、3月30日まで10営業日連続で2兆円を上回っている。売買代金が示すように一定の取引高はあり、決して「閑散相場」ではない。国内勢が下値を拾うなか、すでに海外勢による4月相場への「種まき」が始まっている可能性もある。日米の政治リスクがいったん終息に向かえば、停滞の続く日本株に「遅咲きの春」が訪れてもおかしくない状況だ。
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