日経平均2万円「おあずけ」は誰のせいなのか 米国株には見劣るが4月の外国人買いに期待
もう一つは「森友問題」だ。いま世間を「忖度(そんたく)」という言葉が賑わしている。そもそも一般社会ではあまり馴染みがない。辞書を引くと「相手の気持ちを推し量ること」、「相手の意向を察すること」と示されている。この難語は外国人記者の間でも話題になり、「surmise」、「read between the lines」などと訳されたものの、英語で100%正確に表現できる言葉はないともいわれる。
この「大阪の学校法人への国有地払い下げ問題」はどこまで長引くのだろうか。ここへ来て岡山理科大学の新設学部をめぐる問題もくすぶっている。
こうした状況に、外国人投資家は日本株に対して様子見を決め込んでいるのだろうか。それは定かではないが、日米株のオプション市場では、予想変動率(ボラティリティー)が上昇している。代表的な指標の一つ、日経平均VI(ボラティリティー・インデックス)は2カ月ぶりの水準へ上昇。また米国でも、投資家の不安心理を映す「VIX指数」は3カ月ぶりの水準まで高まっている。これは、相場の先行きに対する波乱の兆しともされている。
オプション市場で、忖度ならぬ、「目先の損得(そんとく)」を弾く投資家は、上値の重い日本株に対しての下値リスクを警戒しているもようだ。ダジャレを連発して恐縮だが、「鯔(とど=魚のボラのこと)のつまり」、当面は金融市場の「ボラ」(予想変動率)が跳ねるのかどうか、目配りする必要があるだろう。
4月の日本株は、海外勢が「16年連続」で買い越し
とはいえ、例年4月は、海外勢が日本株を買い越す傾向がみられる。1990年以降(過去27年間)の買い越し局面が25回に達し、2001年以降に至ってはなんと「16年連続で買い越し」だ。
昨年のいまごろを思い出していただきたい。昨年初は原油安が産油国の財政悪化を直撃、同年1~3月にはオイルマネーを中心とした政府系ファンド(SWF)の日本株の換金売りが加速。海外勢は月間ベースで1兆~2兆円近くも売り越していた。だが、同年4月には結果的に約8600億円の買い越しへ転じた。
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