4月以降の日本株の「主役」は大型株ではない 投資家の「カネの流れ」はどこに向かうのか
日銀がETF買いで「異例の積極性」
ちょっと前の話になるが、マーケットではこんな見方が一般的だった。すなわち、「3月第3週目の『3大イベント』を無事に通過すれば、相場の流れは主力株の物色に戻り、日経平均株価は一気に2万円へ到達する」というものだ。
3大イベントとは、FOMC(米公開市場委員会)、日銀金融政策決定会合、G20である。だが結果は「予想よりハト派的だったFOMC」、「保護主義への対決姿勢が打ち出せなかったG20」と、波乱とはならないまでも市場予想よりも微妙に「ネガティブ」だった。そこに、これまた微妙な原油安も加わり、ドル安円高も進んで逆に日本株を圧迫していた。
そこへ来て、だ。第4週早々の3月21日のNYダウは237ドル安と、「トランプ相場」初の大幅下落となった。「トランプ政策」への期待と不安は、トランプ氏の登場直後から存在していたが、医療保険制度改革(オバマケア)の代替法案可決が難航したのをきっかけに、気崩れ的に不安が増幅する形となった。
日経平均も影響を受けて、翌22日には、サポートライン(下値支持線)だった25日、75日両移動平均線を一気に下抜けてしまった。特に約3カ月の平均売買コストを表す75日移動平均線を割れたことは想定外だったが、75日線自体は上昇中。上昇中の75日移動平均を割れた過去の例では、短期間にそれを回復していることが多い。
結局、日銀のETF(上場投資信託)買いがこの下げ2日間(22、23日)の下値を支えたが、特に2日目の買いは、買いの基準となるTOPIX(東証株価指数、東証1部全銘柄を対象に指数化。1968年を100とする)がほとんど横ばい状態での、日銀の「出動」だった。そのため、今までの「下げたら買う」日銀のスタンスから考えると、「異例なまでの積極性」と市場筋は捉え、週末の24日終値は早くも75日移動平均の水準を回復した。
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