4月以降の日本株の「主役」は大型株ではない

投資家の「カネの流れ」はどこに向かうのか

今後も、トランプ政策への期待と不安は現場(議会)に降りての戦いとなって、続きそうだ。日本株も「森友問題」で、政権中枢への不透明感が出る中で、結局は日銀頼みの相場がもう少し続きそうだ。

再び相場の物色対象は「中小型株」が中心に

物色対象も気迷い気味で、中小型株の代表的な指標である「日経ジャスダック指数」の21連騰(3月10日まで)での終了とともに、新興市場からいったん逃げた資金は、思わぬ円高で主力株高のシナリオが狂った。結局、あわてて再びマザーズやジャスダック銘柄に戻っている。

直近の中小型株の連騰そのものは、昨年秋以降の外国人投資家による大型株一辺倒の日本株買いの中で中小型株・新興市場株の出遅れ感があった反動とも推察される。だが、昨年後半から中小型株の堅調な値動きが続いている流れに変わりはない。

筆者はこの間、一貫して「中小型株循環物色相場の到来」を唱えて来たが、これらの物色人気の趨勢が、これからも日本株全体の行方を左右しそうだ。今後、再度円安が進めば、業績改善期待が大きい大型株中心の物色となるだろうが、簡単に進みそうもない円安や、森友問題による政権中枢への不安を考えると、やはり成長性のある中小型株へ資金が向かう流れは変わらないと見る。

円高がちょっと進むと、すぐに企業業績への影響が取りざたされるが、日本企業の足元の業績の実態は堅調だ。400社を対象にした3月の「ロイター企業短期経済観測調査」(ロイター短観)によると、「製造業DI(業況判断指数)」の数値は5ポイント改善の「プラス25」で、2008年のリーマンショック後の過去最高値と並んでいる。2012年前後の1ドル=70円台後半~80円台で鍛えられ、培われた日本企業の「稼ぐ力」は今、強力なものになっている。また「非製造業DI」も「プラス26」と高水準だ。意外に個人消費関連が順調に拡大している。

さて、当面の日本株はどうなるだろうか。27日以降の「予定表」を見ると、引き続きIPO(新規株式公開)が多い。

米国での景気指標発表も多い。28日(火)には1月の米S&Pケース・シラー住宅価格指数、3月のコンファレンス・ボード(消費者信頼感指数)などは定番だが、重要な指標だ。

また、最近の原油下落の大きな原因は米国内の原油在庫増加だが、29日(水)のEIA(米エネルギー省エネルギー情報局)の週間原油在庫などには注意を払いたい。さらに30日(木)には週間新規失業保険申請件数が発表になる。また、31日(金)は日本の消費者物価指数(2月の全国、3月の東京都区部)、2月の鉱工業生産、2月の住宅着工に注目だ。同日には3月の中国製造業PMI(購買担当者景気指数)、3月のシカゴ景況指数の発表もあり、4月3日以降の日本株に影響を与えそうだ。

日本の市場での、配当金や株主優待を取得するための「権利付き取引最終売買日」(3月末決算企業などが中心)は28日だ。翌日の29日は権利確定日が過ぎ、権利が取得できない「権利落ち」となるが、日経平均では、この部分はおおよそ130円~140円と推定される。これらを踏まえ、今週の日経平均予想レンジは1万8800円~1万9550円としたい。

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