原油相場の「下限」はいったいいくらなのか 「米国シェールオイル増産で低迷」は本当か

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OPECと非加盟国の間で結ばれた減産合意は今のところ守られている。供給増懸念が取りざたされるが、需要増にも目を向けるべきだ(写真:ロイター/アフロ)

2月もOPECの減産合意は守られた

OPECが2月の産油量を公表した。結果から先に言えば、市場の大方の予想に反し、2月も1月に続き、減産が順調に実施されていたことが判明した。多くの市場関係者は、「OPECは一枚岩でなく、抜け駆け増産が行われ、減産は結果的に形骸化する」と指摘していた。しかし、結果はほぼ完ぺきともいえる減産履行となった。

筆者はこれまで各所で、「OPECの減産合意は価格を押し上げることが目的であり、必ず実施される。OPECは減産に本気で取り組む意向であり、疑いの余地がない」としてきた。結果的に筆者の見立て通りとなっている。

なぜこのような見方に違いが出るのだろうか。それは、現物需給の調整が市場に与えるインパクトの意味を理解しているかどうかの差であろう。一般的にはアナリストの見方が市場関係者のコメントとして報じられている。しかし、彼らのほとんどが実際のコモディティ取引の経験がない。まして、現物取引の経験など皆無であり、市場に出回る「2次情報」を自分なりに分析・理解して予測を出しているに過ぎない。

さて、OPECは加盟・非加盟国の協調減産後、2月の月報を発表し、減産が順調に進んでいることを示した。2月の加盟13カ国の産油量は1月比日量14万バレル減の3196万バレルとなった。これには、今回減産を免除されたナイジェリアとリビアも含まれている。この結果、昨年11月30日の総会で決めた上限目標の3250万バレルを2カ月連続で下回った。

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