座れる列車「Sトレイン」意外な停車駅のワケ

自由が丘や保谷に停車、池袋は通過

平日に運転される西武線の所沢と東京メトロ有楽町線の豊洲を結ぶ列車でも、日ごろ西武池袋線を利用する人にとっては意外に思えるであろう停車駅がある。保谷だ。同駅では朝の豊洲行きで乗車のみ、夜の所沢行きで降車のみ可能となっている。

平日の池袋線内のSトレインの停車駅は、石神井公園・保谷・所沢の3駅。このうち、所沢は特急を含めた全列車が停まるターミナルであり、石神井公園も特急と朝ラッシュ時上りの「通勤準急」を除いてすべての列車が停車する。だが、保谷は特別料金不要の列車で最も速い「快速急行」も、次いで速い「急行」も停まらず、この3駅の中では異色だ。

2015年度のデータによると、保谷の1日平均乗降人員は6万0058人で、西武全線92駅中で14位。同駅始発・終着の各駅停車も数多く走っており、主要駅であることは間違いないが、乗降人員でいえば隣接する大泉学園のほうが多く、快速急行・急行が停まるひばりヶ丘や地下鉄線方面へと分岐する練馬など、ほかにも候補になりそうな駅はある。その中で、保谷を停車駅に選んだ理由は何だろうか。

「有楽町線利用者が統計的に多い」

保谷は列車の折り返しが可能だが、西武鉄道によると「そういった駅の構造面はSトレインの停車とは特に関係ない」といい、地域などの要望を受けたからでもないと説明する。同駅を平日の有楽町線直通Sトレインの停車駅としたのは「あくまで利用状況などによって総合的に判断した結果」。同社はその一つの理由として「同駅の利用者に、有楽町線の利用者が統計的に多い」ことを挙げる。副都心線に乗り入れる土休日の列車は同駅に停まらないことを考えると、一定の説得力ある説明といえそうだ。

一方で、駅の構造を理由に通過駅となったのは西武秩父線の横瀬。特急が停まる駅だが、ホームの長さがSトレインの10両編成に対応していないためだという。

元町・中華街駅発の一番列車に出発合図を出す駅長(撮影:今 祥雄)

鉄道会社にとって、列車ダイヤは利用者に使いやすい輸送サービスを提供するための「商品」。列車をどの駅に停車させるかも、その重要なポイントになる。シートやコンセント、デジタルサイネージなど車両の設備に関心が集まるSトレインだが、従来から各線を走っている特急や急行とはちょっと違う、ある意味で「戦略的」ともいえる停車駅が果たしてユーザーにどう受け止められるか、あるいは変化していくかどうかも、これからの注目点といえるだろう。

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