――中国人同士の集まりは、ビジネスのため、お互いに利益を共有するための関係作りという感じがします。
段:そうなのよ。今の中国では、ビジネスなしには友達じゃないみたいな感じでしょ。でも、私にとってフレンドシップというのはビジネスではなく、「投資」です。そこで得られるものは、必ずしもビジネス上の利益ではなく、人生の見返りです。
友達をつくるというのは信用が大事だし、時間もかかる。今日知り合って、明日、親しくなれるというものではないわ。ましてカネを稼ぐなんて、一朝一夕にできるものではない。やはり信用を積み重ねる必要があります。だから友達をつくっていくことは、ビジネスの上の「投資」だとしても、あくまで目的ではないんです。
周:本当にそのとおりだと思う。ただ、中国だけじゃないと思うけれど、ビジネスの現場では互いの利益を先に明確する場合が多い。これは一種のコミュニケーションの方法なのではないかと思うわ。まずは利益の話からスタートし、相手の心の壁を取り払った後に、利益以外の具体的な話をするの。
段:それはそうね。確かにコミュニケーションの方法の違いかも。たとえばスウェーデン人と話をすると、まずは「あなたを信用します、一緒にやりましょう」というところから始まって、その後、信用に値しないことがわかったら「バイバイ」となる。
逆に中国人はまず信用しないところから始まって、信用できることが証明できたら、「一緒にやろう」ということになる。カルチャーギャップというのは、時に表現方法が違うだけで、本質的には同じだったりするのかもしれないわ。
でも私はやっぱり、友達をつくって、生活の質を上げることのほうが好き。それで、この間「niwotata餃子宴」をやったの。みんなで餃子を包むのよ。そうすれば、初対面同士でも堅苦しくないでしょ。今後は持ち回りにして、餃子をゆでる7~8分の間に、事業なんかのアイデアをプレゼンして、意見交換したらいいんじゃないかと思っている。そうすればお互いに勉強になるでしょう。
「理想を売って、現実を得る」
――それも利益関係でなく、心の結び付き?
段:利益は副産物ね。事を成して成功すれば、そこには利益がついてくるはず。よいことはそれだけの値打ちがあるものだから。でもそれは絶対に、短期間で利益を生むものではないわ。まず価値を創造すること、それが仕事上の契約にもつながると思う。
周:価値といえば、冒頭の話に戻るけれど、「Design shanghai」では協賛企業も募っているのよね? 企業は協賛したらどんなメリットがあるの?
――いきなり現実に戻るのね?
段:あら、当然よ。イベントを成功させるには、ビジネスの力、社会の力が必要だし、おカネを出したら、その分、見返りはなくちゃ。これが「理想を売って現実を得る」ね。
「Design shanghai」が持つ社会と政府の強力なリソースは、私の自信の源となっています。半年間、中国で最も力のあるアート会場「上海当代芸術博物館(power station of art))でオーダーメイドなクリエイティブ展示を行います。それと4万の報道媒体、4000万の報道レポートのほか、街頭広告などでの露出も提供できます。まだまだ協賛を集めないといけないから、日本の企業のみなさんにも知ってほしいですね!
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