JFE、今期計画は本当に“期待外れ”? 第1四半期好発進も、上方修正期待しぼむ

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今上半期(2013年4~9月期)の計画は、売上高1兆7600億円(前年同期比21%増)、営業利益650億円(同5.8倍)、経常利益700億円(同17倍)、純利益450億円(同30倍)といずれも大幅反発。

一方、今通期(13年4月~14年3月期)については、「原料価格の動向が不透明で、合理的な予想を算定するのは困難」(会社側)として、経常利益1700億円(前期比3.3倍)のみを公表した。「コスト削減とエンジニアリング事業の増益によって、下半期は対上半期比で300億円の経常増益となる」(同)との説明だ。

東洋経済「会社四季報」夏号(6月発売)では、JFEの今2014年3月期業績について、売上高3兆7500億円、営業利益1900億円、経常利益2013億円、純利益1170億円を独自に予想していた。前期に発生した在庫評価損のマイナス影響が縮むことと、年間1000億円程度のコスト削減効果発現を見込んでのものだ。

通期の経常利益計画は市場の期待下回る

これと比べると、会社側による今期計画はかなり控えめ。第1四半期決算発表前である、7月22日時点でのアナリストコンセンサス(QUICK、12社ベース)の経常利益予想2305億円も大幅に下回る。

JFEの今期の鋼材出荷量は、自動車向けの好調や建材分野の増加などで、前年比微増を確保する見通し。円高の是正により、輸出環境も好転しつつある。一方、円ベースでの原料価格は上昇傾向で、今後は原料価格の製品への価格転嫁が課題となりそうだ。

なお、高炉大手の決算発表としては7月29日に神戸製鋼所が第1四半期決算を発表したが、神戸製鋼は期初計画に比べて今通期の経常利益見通しを150億円引き上げるなど、JFEとは“対照的”だ。また、7月31日には新日鐵住金、8月5日には日新製鋼ホールディングスの第1四半期決算が予定されている。

小河 眞与 東洋経済 記者
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