キヤノン、頼みの綱の一眼レフも減速 円安メリットでも増益幅は縮小

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今年1月、パシフィコ横浜で開かれた「CP+」に出展された、キヤノンの一眼レフ上位機種

コンパクトデジカメ(コンデジ)の市場急減速の逆風がきつい、デジカメ業界。その中でも、キヤノンとニコンの2社がシェアの大半を握る、利益率の高い一眼レフは、安定した成長を続けコンデジの不振を補う存在として期待されている。

が、日本カメラ映像機器工業会(CIPA)が発表している統計によると、今年の1~5月の累計で、一眼レフの総出荷台数は前年同期比15%減と、減少傾向が明らかになってきた。それはデジカメ大手の業績にも影響を及ぼしている。

上期決算は営業利益が2ケタ減益に

キヤノンは7月24日、今上半期(2013年1~6月)の決算を発表。本業の儲けを示す営業利益が前年同期(12年1~6月)に比べて13%減の大幅減益に終わったことを明らかにした。同時にキヤノンは今年度通期(13年1~12月)の業績見通しについても、期初計画よりも増益幅が縮小しそうだと発表した。

会社側が今回修正した最新の通期業績見通しは、売上高が3兆8500億円(前期比11%増)、営業利益が3800億円(同17%増)、当期純利益2600億円(同16%増)と、2ケタ増収増益を見込んでいる。

見かけ上は好調な業績見通しであるものの、その増収増益は、ほとんどが円安メリットによるものだ。

キヤノンが今回の修正計画を出すに当たっての為替前提は、2013年下半期の平均で対米ドルでは1ドル=95円、対ユーロでは1ユーロ=125円。下半期の為替変動の影響額としては、1円円安になると、対ドルで売り上げ96億円・営業利益35億円、対ユーロで売り上げ42億円・営業利益23億円が、それぞれ増額要因となる。

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