よみうりランド、巨大「埋め立て地」出現の謎 これはグッジョバに次ぐ新施設なのか?

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この場所には野村不動産が「プラウドシティ南山」(412戸)を分譲中のほか、スーパーマーケットや小学校などが新設された。報道によれば、東側に読売巨人軍が3軍向けの練習場を含めた「TOKYO GIANTS TOWN」(2023年3月末完成見込み)という商業施設を作る計画のようだ。

よみうりランドに隣接するエリアでも造成工事が行われていた(記者撮影)

よみうりランドは、ここで発生した30万立方メートル余りの残土を埋め立て地に活用。同社は2012年度からこれまで、建設発生土受入金として22億円余りを計上している。残土を受け入れる利益で、土地の造成費19億4400万円を相殺したかたちだ。

同社は今後、この土地を何に使うのか。会社側は「グッジョバの開業には6~7年、建設費で100億円がかかった。(次の新施設といった大型投資は)当面は未定」と説明する。

入園者数は過去最高を更新

閑散期の冬場にはLEDを500万個使って、園内でイルミネーションを展開。強力な集客の目玉となっている(写真:よみうりランド提供)

レジャー施設業界は東京ディズニーリゾート、そして最近でこそユニバーサル・スタジオ・ジャパン、ハウステンボスの好調が話題になるが、その他の施設は軒並み苦戦している。

よみうりランド周辺でも、向ヶ丘遊園(神奈川県川崎市、2002年閉鎖)や多摩テック(東京都日野市、2009年閉鎖)などが次々と退場。大型プールで競い合う東京サマーランド(東京都あきる野市)も、長年赤字が続いている。

その中で、よみうりランドは頻繁にイベントを開催したり、閑散期の冬場に巨大なイルミネーションを実施するといった努力が奏功し、入園者数は「10年前の70万人から2016年度は200万人近い水準になった」(会社側)と、ここ数年は過去最高を連続で更新している。

昨年にグッジョバ!を開業したのも「遊園地としてやっていけるという自信があったから」(会社側)。少子高齢化や子育て世代の可処分所得が伸び悩む中で、”ものづくり”を前面に打ち出し、経済的に余裕がある祖父母の層を巻き込んだ三世代型の遊園地を目指した。

記者が訪れた際、埋め立て地には仮設のテントが設けられており、会社側は「(ゴールデンウィークや夏休みなど)需要期に向けた活用を検討している」。

今後は周辺の大規模開発も進展する中で、グッジョバ!の次にどういった施設を作っていくのか。

松浦 大 東洋経済 記者

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まつうら ひろし / Hiroshi Matsuura

明治大学、同大学院を経て、2009年に入社。記者としてはいろいろ担当して、今はソフトウェアやサイバーセキュリティなどを担当(多分)。編集は『業界地図』がメイン。妻と娘、息子、オウムと暮らす。2020年に育休を約8カ月取った。

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