LINE2億人突破、成長はどこまで続く? 海外ユーザー拡大の一方、浮上する新しい課題

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とはいえ、LINEにも死角はある。皮肉なことに社会インフラとなりつつあることで、新たなリスクが生じている。

7月中旬に発覚した広島県の16歳少女遺体遺棄事件。容疑者がLINEでメッセージをやり取りしたことが大きく報じられた。本質的には、単なるメッセージ機能として使われただけであり、LINEが悪いわけではないのだが、イメージダウンには違いない。

また、外部の掲示板サービスなどと組み合わせることで、LINEが出会い系サイト代わりに使われるケースも増えている。これもLINEの責任とするかはともかく、風向き次第では批判が集まりかねない。

そのため、LINEは18歳未満のユーザーに対する一部機能の制限を実施。昨年末にKDDIのアンドロイド端末で導入した年齢確認を、9月をメドに国内の全携帯電話会社のアンドロイド端末でも行うなど、健全性の維持に躍起となっている。

日に日に高まる期待も重荷となるかもしれない。上場について会社は明言を避けるが、株式市場の関係者からは「上場すれば兆円単位の時価総額は確実」との発言が飛び出す。収益化を急ぎすぎれば、コミュニケーションツールとしての強みは薄れる。サービスの拡大と使いやすさの両立も課題だ。

LINEにとって当面の敵は大きくなった自分自身かもしれない。

(撮影:梅谷秀司)

(週刊東洋経済2013年7月30日号)

二階堂 遼馬 東洋経済 記者

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にかいどう りょうま / Ryoma Nikaido

解説部記者。米国を中心にマクロの政治・経済をカバー。2008年東洋経済新報社入社。化学、外食、ネット業界担当記者と週刊東洋経済編集部を経て現職。週刊東洋経済編集部では産業特集を中心に担当。

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