シリコンバレーは今やソーラーバレーへ

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ナノテクなど技術応用 支援策も成長のカギに

シリコンバレーを中心にクリーンテック分野が盛り上がっている背景を老舗VC、USベンチャー・パートナーズのアラティ・プラブヘイカー氏は「ガソリン価格の高騰などに伴って消費者の関心が高まったことで新技術への市場ニーズが膨らんだことが大きい」と分析する。

確かに太陽光発電などは半導体製造技術の応用。関連企業の多いシリコンバレーにはピッタリだ。また、ナノテクなど技術があっても応用先がなく“持て余していた”ところへ環境保護という応用先が登場、「新興企業が続々と誕生するのに必要なインフラが整っていた」(シリコンバレーにあるVC、ノベンティのパートナー・石井正純氏)。

ノベンティでも06年に専用ファンドを組成し、出資先を募ったところ80社以上の案件が殺到。「毎日のように案件が持ち込まれるほど」(石井氏)、関連企業は増えている。

政府による環境保護対策の加速も発展を後押ししている。米国政府が保護対策に消極的だが、州政府は関連プロジェクトへの出資などさまざまな政策を打ち出している。中でも先行しているのが、シリコンバレーのあるカリフォルニア州だ。

06年にはシュワルツェネッガー知事の号令の下「100万軒のソーラールーフス計画」と呼ぶ太陽光発電普及促進策を法制化。17年までに総額330億ドルを費やして、個人や法人の太陽光発電設備設置を支援、3ギガワットの発電を目指している。このほかに20年までに温室効果ガス25%削減を目標に掲げているほか、保護技術やプロジェクトへの資金援助など、関連政策は山とある。「従来のIT分野では政府の動向を気にすることはなかったが、クリーンテックでは政府の支援策が発展のカギを握る」(プラブヘイカー氏)だけに、VCの間でもカリフォルニア州の積極策を賞賛する声が多い。

こうした要素がうまく絡み合ってシリコンバレーは徐々に環境ビジネスのメッカへと変貌を遂げている。しかし、研究開発段階のベンチャー企業がほとんどであり、クリーンテック分野がITのように産業として成長するにはかなりの時間がかかることは間違いない。「いつビジネスになるのかという議論が尽きないが、最低5年は待つ必要がある」(プラブヘイカー氏)。ノベンティの石井氏は「IPOよりはむしろ、大企業による買収が主なエクジットになるのではないか」と見る。

大きな花が咲くのか。VCならずとも、関心は高まるばかりだ。


(週刊東洋経済)

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