「ひとりのほうが気がラク」
そんなことを言っている独身者たちは、それが本音なのだろうか。
男性を支えて一緒に生きていきたいと思っている女性がいることも、忘れないでほしい。また女性の若さや容姿にこだわる男性ばかりが世の中にいるのではない、と女性たちには言いたい。
それから1カ月後、祐一は伊豆恋人岬で幸枝にプロポーズをした。11月の冬空の下、“愛が成就する”という名物の鐘を鳴らした。プロポーズの場所が夜景の見える高級レストランではなかったことも、2人らしいと思った。
結婚の報告に来た祐一が言った。「親父も母親も今回の結婚をすごく喜んでくれました。母がうつ病になって自殺未遂した時、“オレたちにいつまで世話焼かせるんだ”と思ったけれど、涙ぐんでいる母親を見てわだかまりも消えました」。
また、こんなことも言った。
子どもを授からなくても、いいかなって
「自分の珍しい名字を残したい気持ちはあるんです。でも彼女は41歳なんで、もしかしたら子どもは授からないかもしれない。それでもいいかなって思っています。彼女と一緒に歩いていく人生が楽しければ、それで」
これから何十年と続く長い結婚生活の中にはけんかをして、「顔も見たくない」と思うことがあるかもしれない。「どうしてこんな相手と結婚してしまったんだろう」と思うことがあるかもしれない。
そんな時は、結婚をあきらめていた自分がなぜ婚活をスタートさせたのか、3人の女性の中からなぜ幸枝を選んだのか、思い出してほしい。
ほんとうにおめでとう。
仲人をしていて最高に幸せを感じるのは、こうして会員が結婚を決めて退会していく瞬間だ。
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